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不安な気持ちを受け入れてもらえるだろうか。

私は震えそうになる声を抑えながら、口を開く。


「私、今までまともな恋愛したことなくて、いつも何か違うって振られてばかりで、最後の彼には浮気されたんです。浮気現場も見ちゃって、それがトラウマでもう恋愛なんてしたくなくて。だけど坪内さんのこと好きになっちゃって。こんな私が上手くやっていけるのか、坪内さんをがっかりさせちゃってまた振られたらどうしようとか…。」


言いながら、だんだん俯きがちになってしまう。

そんな私の手を、坪内さんは包むように握ってくれる。


「俺は日菜子を振った男たちにお礼を言いたいね。俺と出会うための御膳立てをしてくれたわけだろう。特に最後の浮気男な。あいつがいなかったら俺は日菜子を好きになっていなかったかもしれない。あの時の涙が、俺の心を動かしたんだからな。」


そういえば、私の失恋の涙を偶然見られていたんだった。

それがきっかけで私を気にするようになったと。


「俺はどんな日菜子でも受け入れるよ。それは日菜子も一緒だ。俺の方ががっかりさせるかもしれないだろ?それでも受け入れてくれるか?」

「がっかりだなんて…、全然ないです。」


私は首をフルフルと振る。

坪内さんは私の手を握り直して、艶のある声で囁く。


「一緒に暮らし初めてからの俺を褒めてほしいくらいだ。好きな女が目の前にいるのにおあずけをくらってるんだ。よく耐えた、俺。」


坪内さんはうんうんと、一人頷いた。

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