表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/89

*

すっかり冷めてしまったほうじ茶ラテを飲み干す。

甘さと少しのほろ苦さが、私と坪内さんの関係を物語っているようだった。


甘い甘い坪内さんに、気持ちをはっきりさせないほろ苦な私。

ほうじ茶ラテみたいに、混ざり合うことによって美味しくなるように、私たちも気持ちを通わせたらもっといい関係になれるのかな。


「そろそろ帰ろうか。」


黙りこんだ私に、奈穂子が声をかける。


「あ、彼を待たせたら悪いよね。」


同棲している奈穂子の彼のことを思って言ったのに、


「うん、日菜子の彼ね。」


と、奈穂子は外を見やる。

ガラス張りのお店の外に、坪内さんの姿が見えた。


「え、何で?」

「会社出るときに、王子様に日菜子お借りしますって伝えたら、仕事終わったら迎えに行くって言われてさ。愛されてますなー、日菜子サン。」


キョトンとする私に爆弾を落としてくる。

ぐっ、奈穂子め、わざと声かけたな。


「いつまでも王子様を待たせちゃダメだよ。王子様は人気なんだから。早く私のものって宣言しておきなね。」


捨て台詞のような言葉を私に投げ掛けて、奈穂子は笑顔で帰っていった。

ぐいぐい引っ張る奈穂子に、私はたじたじだ。

私も奈穂子みたいな積極性があったらいいのに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ