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いやもう、ほんと、ありえないでしょ。


「いやー消してください。」

「ははは!可愛いからいいだろ。」


自慢げに見せてくるなよ。


「誰かに見られたら困ります。」

「誰にも見せねーよ。」


絶対消してほしくて、坪内さんに絡み付いてスマホを奪い取ろうとする私。

坪内さんはその腕をぐっと掴んで動きを止めると、


「秋山の寝顔は俺だけのものだ。」


と耳元で囁やいた。


くそっ、このイケメン王子め。

どこまでも私をときめかせる。


「明日、不動産屋さんに行こうと思ってたんですけど、やっぱりやめます。」


私の言葉に、坪内さんは真剣な目になる。

つかまれたままの腕に、力が入るのがわかった。

私は一旦深呼吸をしてから、坪内さんの目を見て言う。


「もうちょっと、坪内さんちにお世話になっていいですか?」


坪内さんは満面の王子様スマイルで、


「いらっしゃいませ、お姫様。」


と言った。


そんな、歯の浮くような台詞言わないでよ。

悔しいけど、ときめいてしまったじゃないか。


悔しさと嬉しさと恥ずかしさでどうにもならなくて、その日私は初めて坪内さんにわがままを言って甘えた。


さっき食べ損ねた〆のデザート。

その代わりとして、帰り道のコンビニでバニラアイスを買ってもらった。


わがままを言われた方なのに、なぜだか坪内さんは上機嫌だった。

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