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奈穂子と話し込んでいたので、いつの間にか遅い時間になってしまっていた。


お会計を済ませてお店の外で待っていると、坪内さんがやってくる。

遠くからでもわかる、あのシルエット。

本当に、私ったら坪内さんをすぐ見つけてしまう。

悔しいけど、それほどまでに彼のことを気にしている。


坪内さんは私たちを見つけると、軽く手をあげた。


「天野さんも送るよ。」


出たよ、イケメン発言。

私だけでなく奈穂子のことも送るとか言う。

奈穂子はまんざらではない顔をしながら、でもきっぱり断る。


「いえいえ、私も彼が迎えに来てくれるので大丈夫です。またね、日菜子。じゃあ、失礼しまーす。」


奈穂子は坪内さんに向かって丁寧にお辞儀をして、私には軽く手を振った。

さながら、さっさと消えろと言わんばかりな目をしている。



夜道を、坪内さんの車が止まっている駐車場に向かって二人並んで歩く。


「あの、迎えに来ていただいてありがとうございます。」

「いや、悪かったな邪魔して。」


お礼を言うと、謝られた。

坪内さんはばつが悪そうに、髪を掻きあげる。


「秋山が家にいないのが落ち着かなくて、電話してしまった。」

「そうだ、何で私のスマホに坪内さんの番号登録されているんですか?」


私が疑問を口にすると、坪内さんはいたずらっぽく目を細めた。

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