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奈穂子がしゃべらないので、私もエビマヨをひとつ口に入れる。

エビめっちゃでかい。

これは無言になるわ。

私がモグモグしていると、突然奈穂子が聞いてくる。


「日菜子は王子様が好き?」


ぐっとエビが喉に詰まりそうになった。

慌てて水で流し込む。


「…嫌いじゃないよ。」


そう、それが今の正直な気持ち。


「一緒にいてどう思うの?」

「わかんないけど、嫌じゃない。だけど甘えるのが怖いよ。今日だって、あんまり遅くなるなよって言うんだよ。私が坪内さんちに帰るの前提じゃん。私はビジネスホテルに泊まる気なのにさ。」


愚痴にも似た私の言葉に、奈穂子は真剣な眼差しで反論する。


「好きな人に甘えることの何が悪いの?好きな人だから甘えて、その分好きな人も甘えさせてあげる。持ちつ持たれつの関係、どうでもいい人となんて出来ないでしょ。」


それはそうかもしれないけど、だけどそれは奈穂子みたいに信頼できる彼氏がいるから言えることなのでは?


「坪内さんは私に甘えてこないよ。私を甘やかすだけだもん。」

「それは日菜子が王子様にちゃんと返事してないから。遠慮してんのよ。さすが王子様よね、ちゃんとわきまえてる。」


私の反論に、奈穂子は更に反論する。

しかも完全に坪内さんの味方だ。


「それに日菜子、わかってる?今の言葉、世間ではのろけっていうのよ。」


奈穂子の言葉に、ぐうの音も出なかった。

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