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坪内さんは夕飯を完食すると、片肘をついて私を見つめる。


「なあ、ここにいる秋山は、素の秋山?それとも猫被ってる秋山?」

「さあ、どうでしょう?少なくとも上司に向かって、はあ?とか言っちゃう時点で、猫は被ってないですよね。」


自分の言動を自虐的に笑ったら、


「そんな秋山も好きだな」


と坪内さんは言う。


とたんに、頬が赤くなるのがわかった。

何でこの人は、そういうことを恥ずかしげもなく臆することもなく、さらっと言うのかな。

そんな真っ直ぐな気持ちを向けられれば向けられるほど、私は自分の気持ちがわからなくなる。


絶対恋はしないししたくないと思っているのに。

一人で生きていこうと決めているのに。

どうしてそうやって、私の心をこじ開けようとしてくるのよ。


「なんで…私なんですか?」


そう、聞いてみたかった。

ずっと疑問だった。

まわりから人気でイケメン王子様だと言われている坪内さんが、何で私を好きになったのかを。

だってイケメン王子様の隣には、可憐なお姫様がセオリーでしょ。

私なんて可憐の”か”の字も感じられないのに。

いつも坪内さんに反抗的で、雑な扱いをしているんだよ。


「好きに理由なんているかよ。」


私の気持ちとは裏腹に、すっごく曖昧でそれでいてある程度説得力のある返事が返ってきた。


「そんな…。」

「そうだな、まああえて言うなら、秋山の泣き顔に惚れたってとこだな。」


へっ?

泣き顔?

いつどこでそんなものを見たの?

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