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帰りがけにスーパーに寄って少し食材を買った。

坪内さんちの冷蔵庫はスッカスカだ。

外食が多いんだろうなと思わせる。


先に帰ったって他人の家ではやることがない。

せいぜいテレビを見るくらいだ。


だったら夕飯でも作って待ってやろうじゃないか。

私だって就職をしてからずっと一人暮らしをしている。

元彼と付き合っている時は結婚も視野に入れていて、少しだけ料理教室にも通った。

その経験が今活かされようとは、皮肉なもんだ。


だいたい、坪内さんもカップ麺とかレトルトとか、そんなのばっかじゃダメだ。

お昼だって外食ばかりなのに、あの人の食生活ヤバいんじゃなかろうか。


朝はえらく感動してくれていたことを思い出す。

そうだ、朝の感動を超えるくらい、美味しいってうならせてやろう。

そして帰ってきたら、めちゃくちゃ文句を言ってやるんだ。



インターホンがピンポーンと鳴る。

モニターを見ると坪内さんが映っている。


バタバタと玄関を開けると、


「ただいま」


と言う言葉と笑顔が降ってくる。


あんなに文句を言ってやろうと意気込んでいたのに、私は、


「おかえりなさい」


としか言えなかった。

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