表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/89

*

坪内さんがお風呂に入っている間に、少しばかりキッチンへお邪魔する。

食材と調味料を確認して、かろうじてあったお米を明日の朝用に予約セットした。


一泊させてもらったお金は受け取ってもらえないだろうから、せめてものお礼。

朝食くらいは作ろう。

って言っても、食材は全部坪内さんちのだけど。


お風呂上がりの坪内さんは本当に色っぽくて、目のやり場に困った。

いや、もちろん服は着ているんだけど、何て言うのかな、イケメンオーラ全開でキャーキャー言われるのがわかる気がする。

そんな人が、私を好きとか言う。

本当に意味がわからないよ。


「坪内さん、これ。」


私の差し出した手を坪内さんが受け取る。


「何これ?」

「この前のランチ代です。一緒に住むならもらうって言ったじゃないですか。一泊だけど一緒に住んだんだから受け取ってください。」


先日の中華料理屋さんの日替りランチ850円。

きっちりお釣りのないように渡す。


「秋山、お前律儀すぎ。めっちゃ笑える。」


お腹を抱えて笑いだした坪内さん。


「お前やっぱり面白いな。」

「そこ笑うとこですか?」


ひーひー言いながら大爆笑だ。

そんな彼を私は冷ややかな視線で見る。

笑いすぎて目尻に涙まで溜まってるよ。


「ちょっともう、笑いすぎですよっ。」


私が困惑ぎみに言うと、坪内さんは目尻を下げたまま、


「秋山、好きだよ。」


と言った。


はっ?

ちょいちょいちょい。

不意討ちすぎてヤバい。


なんなの、この人。

胸を貫かれたような感覚がして気が遠くなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ