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日常ディファレンス   作者: ユーサ
7/10

部活に入部した自称神様にそっくりな人物

七話目です。お盆は少し忙しくなりそうなので投稿はできないかもしれません。すいません。


許斐がクラスに馴染むころには放課後になっていた。

休み時間になるたびに許斐の周りに集まって何かと話しかける人数も3限4限になるにつれ減っていき、昼休みにはクラスでも派手な男女グループにつかまり、食事を共にしていた。

そして放課後にはようやく落ち着いたのか許斐の周りに人が群がることなく、許斐の前の席の奴と話すくらいには落ち着いた。

それは少なからず、許斐の部活がすでに決まっていたことにあるだろう。

HRでの横井の話も終わり、一同解散となった時許斐と前の席の奴の話声が聞こえた。

「許斐、この後どうするんだ?あれだったら校内のこと教えてやるぞ?」

「ありがとう。でも一度この学校に来て見学はさせてもらってるんだ。それにこの後は山田先生に用事があって、ごめんね。」

「いーよいーよ、気にすんな。」

ちっ、山田にいろいろ聞きたいことがあったんだがな・・・許斐が山田に会うなら後にしなきゃな。

この前のこともあり、うかつに許斐と接触することは避けておきたかった。

一条に目をやると偶然こちらを見ていたので、小さくジェスチャーで”すぐに部室に来い”と伝えた。

わかったのか怪しいが、一条はウインクで返してきた。

教室を出て部室に向かう。

いろいろ話したいことがあったから、心なしか早足になっていたようでいつもより少し早く部室に着いた。

扉を開けるとすでに矢野、七瀬、戸森が部室にいた。

「戸森、今日はバイトじゃないのか?」

「バイト先から今日はなんか来なくていいよって言われたんだ。理由は曖昧だったけどね。」

「そういえば早苗ちゃんのクラスに転入生だっけ?新しく来た子いるって噂になってたよ~。どんな子が来たの?」

七瀬から早速その話題が振られた。

タイミングよく一条が部室に来たので、全員にあの自称神様が来たことを話した。

「それってあの時の子と本当に同一人物だったの?」

「少なくとも外見は同じだったよね、ささちゃん?」

「ああ、だがあの時とは性格とか態度ってのがまるっきり違うように見えた。まるで別人みたいにな。」

「あのときのことってもしかして夢だったんじゃ。正夢って言うやつ?」

「五人が同じ日に、同じ夢をか?」

そう聞き返すと矢野は言い返すことができなかった。

そのまま沈黙していると、扉がガラッと開き山田が入ってきた。

「よ、まずお前らに報告な。部員が一人増えることになった。一条と佐々羅は同じクラスだから知っていると思うが、許斐みつきだ。」

と言われて山田の後ろからおずおずと許斐が部室に入ってきた。

その瞬間、矢野たち二組の面々が許斐の顔を見て緊張したようだ。

それもそのはず、あの時あった自称神様と同一人物であるからだ。

「あの、許斐みつきです。みなさんよろしくお願いします。」

・・・やはりおかしい。

あの時楽しそうにはきはきしゃべっていた奴とは思えないほど、大人しい印象をその姿から受ける。

「あとはお前らに任せるから、適当にやってくれ。」

そう言ってあくびをしながら山田は部室を出て行った。

再び沈黙。

おろおろとする許斐を見て、その場に立たせるのも可哀そうだったのでイスを用意してやった。

ありがとうございますとフワッと笑いながら言われ調子を崩される。

本当にこいつはこの前の自称神様なのか?

誰も許斐にうまく話しかけることができない中、戸森がようやく話し始めた。

「えっと、映像研究部の部長の戸森純です。1年2組にいるから困ったら訪ねてきてね?」

持ち前のお母さん属性を発揮しうまく会話を始めた。

それに続いてそれぞれの自己紹介から始まった。

「私も1年2組で、七瀬遥だよ~。よろしくね、このみちゃん。」

「俺は矢野楓で、1年2組です。よろしくねミル・・・じゃなくて許斐君。」

「なんか許斐”君”ってあってないね~。俺は同じクラスの一条颯太だよ。よろしく、このみん。」

「最後に、一応副部長で同じクラスの佐々羅早苗だ。」

いきなり全員で自己紹介したのかあわあわしている。

その姿が戸森の母性本能をくすぐったらしく、さらにお母さん色を強める。

「みつき、覚えるのはゆっくりでいいから。そんなに緊張しなくていいよ。」

「あ、あの大丈夫です。覚えました。戸森・・・さん。」

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