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戦争勃発

 余程早いスピードで降下しているのだろう。ポッドの中からでもゴウゴウと風の吹く音が聞こえる。


「本当にこの選択で良かったんだろうか...」


 落ち込んでいる気分を少しでも変えようと窓を覗くと、あんなにも大きかったセントラルタワーがとても小さく見えた。

 随分高い街に住んでるんだな、ホープって奴らは。ラブは奴らが最悪な連中だとか言ってたけど、それも嘘かもしれない。いや、あのファイアーマンがいる組織だ。敵に違いない。それにラスとレントも誘拐したしな。


 しばらく頭の整理をした後もう一度窓の外を見ると、セントラルタワーがすぐ前にあった。

 これってやばくね?このままだとポッドがタワーに突っ込んで...やばいっ!咄嗟に衝撃に対して身構えた。

 

ガッシャーーーン!!!


 その後すぐにポッドが大きな音を立ててタワーに突っ込んだ。


ーーー

ーー

「ラブの野郎...ふざけやがって。ラスの乗ってるポッドは何処に着地したんだろうか?」


 瓦礫をどけ体を起こす。幸いな事に頑丈なポッドのおかげで怪我はしていない様だ。

 ここはタワーの何階だろう?とにかく降りるとするか。多分さっき窓から見てた限りじゃラスはちゃんと着地できているだろう。


 どうやらここは101階だったらしい。階段を見つけ下の階に降りると例の街があった。だがタワーを登ってきた時とは何やら様子がおかしかった。


「3時方向に敵!」


「グレネードだ!逃げろ!」


「制圧射撃を加えろ!」


 まるで戦争状態の様だった。銃弾が飛び交い、爆発が四方で起き、人が死ぬ。

 戦況をよく観察してみると、どうやら四つ巴になってるみたいだ。多分ガーディアンズ、ラストソルジャーズ、スケルトンズ、ファンキーズだな。ファンキーズに関しては見たことがないから分からないけど多分そうだろう。


 でもなんで知らぬ間に四つの勢力が戦争になってるんだ?前からどの勢力もタワーを狙ってたみたいだが、今まで均衡が保たれていたのにどうして突然?

 となるとあのホープとかいう連中。あいつらが一枚噛んでいるんじゃないか?なんにせよここから脱出してラスを見つけよう。


 100階だけでなく他の階でも同様に戦闘が行われていた。幸い四勢力が戦っているということもあって、一度も気づかれること無くタワーから出ることが出来た。

 そういや、イルス達はどうしたんだろうか?見た所あの街には居なかったみたいだけど。何処かに脱出したんだろうか。でも皮肉だな、襲われないために逃げた場所で戦争が起きるとは。

 

ーーー

ーー

 タワーの外に出たのは良いんだが、ラスは何処だ?手掛かりなしか...レントやレッド達も結局逃げられたのか分からないし。

 どうしよう...というかまずこの戦争状態について情報を得ないと。こんな時のために女神様からもらったネックレスがあるじゃないか!


 ネックレスを握りしめドジな女神様を思い浮かべる。すると頭の中に声が響いてきた。


「カイン様ですか!?あの!言っても理解してくれないと思うんですけど!ラスちゃんが空から降ってきたんですけど!」


 おおー、世の中にはこんな奇跡もあるんだな。さすが女神様。


「本当ですか。今すぐそっちに行きます。何処にいるんですか?」


「えっ、信じてもらえるんですか!?えーと、グレートウォールに居ます。こっちに来るときは気をつけてくださいね。分かっていると思いますけど戦闘がいろんな場所で頻発してますから」


「その事なんですけど、なんで急に戦争になってるんですか?」


「知らないんですか?そっか、タワーに居ましたもんね。とりあえずこっちに来てください。その時に説明しますから。それじゃ」


 という訳で、グレートウォールを目指して進むとするか。

 この辺りはタワー程激しい戦闘が起こってる訳じゃないみたいだが、それでも銃声があちこちから聞こえる。ここら辺はガーディアンズとラストソルジャーズが戦ってるみたいだな。

 どっちも一応知り合いの勢力だし、兵士を殺すのは躊躇われたので基本見つからない様に進み見つかったときは気絶させた。

 といってもラストソルジャーズとは一緒に戦ったので見つかっても、攻撃されず見逃してくれた。どちらかといえば攻撃して来たのはガーディアンズの方だった。

 


 グレートウォールは戦争中という事もあり初めて来た時と比べると警備の数が増えていた。

 女神様はここに居るって言ってたけど一体何処にいるんだ?女神様を探してキョロキョロしていると背後から声をかけられた。


「あれ?カインじゃねえか。てっきりタワーの中で死んだかと思ってたぞ」


 声の主はスロットだった。


「スロットか。めが...エンジェルからラスが降ってきたって聞いたんだが」


「あー、ありゃ大変な騒ぎだったな。壁の近くに急にポッドが降ってきてな。それでエンジェルが見つけて保護したんだよ。まあついてこいよ」


 と言ってスロットが雑踏を歩き始めたので、それに追随する。


「タワーの中にいたから知らないんだがなんで戦争が起きてるんだ?」


「ああ、ってか良くタワーの中を生き残れたな!たしかラストソルジャーズがタワーに進軍してな。あそこは重要な場所だから、他の組織も負けんと進軍し始めるだろ?その結果が戦争だよ。ちょうどタワーが激戦地だったんだ」


 ラストソルジャーズが...。フィストがリーダーだからフィストが今回の戦争を始めたって事か...?直接聞きに行った方がいいかもな。


「ほら、この宿の二階の10号室に2人はいるはずだ。俺はまだ用事があるんだ」


 そう言い残してスロットが市場の方へ行ってしまった。

 宿は二階建てのトレーラーハウスの様な感じだ。ドアを開け中に入ると店員に声をかけられた。


「お泊まりですか?」


「いや、知り合いがいるんだ」


「それは失礼しました」

 

 二階に上がって10号室のドアをノックする。


「エンジェル、ラス?俺だ。カインだ」


 ドアが開き、女神様がひょっこりと顔を出す。


「カイン様。ラスちゃんも中に居ますよ」


 部屋の中に入るとそっぽを向いたラスがいた。

 まだあの時の事を気にしてるのか?ちゃんと理解してくれてると思ってたんだがな。


「ラス?怒ってるのか?だけどお前なら分かるだろ。あのままじゃ兵士が来て2人とも殺されてた。それに本当にレントがあそこにいたかも分からない」


「それでも...もうちょっとだけでも待てたんじゃ...。それにカインなら兵士なんて余裕で倒せたでしょ!」


「あそこにはファイアーマンも居たんだぞ?まあいい、ガーディアンズに会いに行くぞ」


「嫌だ」


「は?」


「もう嫌だよ」


 これ駄目なやつだ。こうなった奴には他人の言葉は何の意味もない。ラスが自分でやる気を取り戻さないと。だが、こんな状況下でそんな余裕は無い。とにかくフィストに会いに行くとしよう。


「じゃあお前はエンジェル達と一緒にいろ。俺は1人で行く」


 ラスは俯いたまま何も言わない。エンジェルはあたふたしながら、部屋から出て行く俺を見ていた。


 久しぶりの一人旅か。さっさとフィストを問い詰めよう。


 宿から出るとまたまた背後から声をかけられた。何か今日はやたら声をかけられるな。


「カインだよな?」


 振り向くと、見たことのない男が5人。


「覚えてるかどうかは分からないが、ウルフチームだ。フィストの命令でお前を連れて行く。壁の外にヘリを待機させてる」


 ウルフチーム?確かラストソルジャーズと一緒に戦った時に聞いた様な?まあいいタイミングだしついて行くか。


 そのままウルフチームについて行き、グレートウォールを出た。ヘリが待機しているところまで行き、乗り込んだ。


 さて、どんな答えがフィストから聞けるだろうか。


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