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シティ・イン・タワー

前回タコ味のアルマジロ、あらためボールを倒した俺たちは9日目にして50階を攻略している。

「ここに入った途端に敵がさっぱり出てこなくなりましたね」

「休憩ポイントだったりするんじゃないか?もしかしたらお宝があったり...」

宝か.....うへへへ、っとつい顔がにやけてしまったな。


50階に入ってからは敵が全く出現しなくなった。結局50階は何事もなく通過できた。もちろんこのタワーはそんなに簡単じゃない。それを思い知ったのは52階でのことだ。


「あっ!おいおい!あれ見ろよ!いかにも宝が入ってそうじゃないか!」

そこにはザ・宝箱といった感じの箱が置いてあった。


「あっ!待って下さい!それは....」

「あれは俺のもんだ!宝は早い者勝ちだぜ!」

レントの制止も聞かずに俺は宝の元へと駆け寄った。


「さあ、お宝ちゃん!出ておいで!」

ワクワクしながら宝箱を開けると、まあなんということでしょう。カチリと音がしたと思ったら宝箱の中からレーザーが飛んで来た。


っぶねー!まじかよ!誰だよこんなの置いたやつ!ギリギリ剣で弾き返したけど、こんなの俺以外だったら即死亡じゃないか!....罠だからそれでいいのか?

そんな事を考えていたら後ろからレントがやって来て、

「タワーに入る前にあれだけ言ったじゃないですか!一体なんの為にあれだけの時間を割いて説明したと思ってるんです!そもそもカインさんは人の話を聞かなさすぎですよ!」

と怒られた。しかもレントの後ろにいるラスは明らかバカにした目で俺を見ていた。

「悪かった、悪かった。今度からは気をつけるからさ」


そんな感じで52階からは大量の罠に苦戦する事になってしまった。一歩踏み出せば落とし穴が開き、レーザーが発射され、挙げ句の果てには壁が迫って来るなんて罠もあった。

唯一良かった事といえば罠だけで敵は一切出てこなかった事だけだ。だがそんな良かった点も80階で終わりを告げた。


80階にて罠に警戒しながら進んでいた時に曲がり角から音が聞こえてきた。


ウィーン、ガチャン、ウィーン、ガチャン


「この音は一体なんだ?またボールみたいな奴か?勘弁してくれよ」

「これは...ロボット...ですかね?しかも一体じゃないみたいですね。どうします?」

壁に張り付き角の先を覗き見ると右手に銃、左手に剣を持ったロボットが三体ほどおり、通路を塞いでいた。どれも人型で金属の骨格が剥き出しになっている。幸いな事に俺たちの居る方向の反対側を見ているようだ。


「ロボットみたいだな。三体だけしかいないし、ここは俺が1人で行こう。2人は念の為そこにいといてくれ。いいよな?」

2人が頷いたので、剣を取り出し後ろから近づく。

魔法で一掃してもいいが体力が持たなくなるのでやめておくか。ロボット達はちょうど逆三角形のフォーメーションをしていた。


まずは手前にいる一体を斬り伏せる。案の定音で前の2体が気づきこちらを見てきた。ここでは格闘の方が有利だと判断したのかこちらへ近づいてきた。

2体の剣を防ぎながら反撃の機会を伺う。やがて左側のロボットにわずかな隙が生まれそこを突き壁に吹っ飛ばす事に成功した。と同時に右側のロボットの手足を切り落とす。

残りは先ほど吹っ飛ばしたロボットだけで、こちらに背を向けているから大丈夫だろうと思ったその時。グルンとロボットの上半身だけが180度回転し剣で薙ぎ払いをしてきた。


っぶねー!そんなのありかよ!いくらロボットだからって無茶が過ぎるだろうが!


上体を反らし間一髪で薙ぎ払いを避けれた。即座に反撃されないように半円を描くようにして剣を振り手足を先程と同様に切り落とす。

2体ともまだ活動を停止はしていないが動く事もできずもはや危険はないだろう。

なかなか危なかったな。まあ終わりよければ全てよしって奴だ。


「2人とも、終わったぞー!」

呼びかけても2人が出てこない。

「おい!タチの悪い冗談のつもりか?早く来いよ!」

最悪の事態が頭をよぎる。

落ち着け、そんなはずはない。レントだって歴戦の傭兵のはず。こんな所でくたばる奴じゃないはずだ。

恐る恐る2人が居たはずの角を覗く。


「ああっ、くそッ!」

2人とも居なかった。影も形もなくなっていた。だが少なくとも死体が無いという事は生きている可能性があるという事だ。

「どーしたらいいんだよ!」

自分の声が通路に反射する。


ふとその時、床に血が付いているのに気づいた。これは....おそらくレントかラスのどちらかの血、もしくは2人を連れて行った他の何かの血に違いない。という事はこの血を辿れば2人の行き先がわかるという事だ。

「他に手がかりはない...か」


床の血痕を追って道を辿っていると違和感に気づいた。

さっき来た時、ここにこんな通路あったか?一本道のはずが途中で道が二つに分かれている。何かがおかしい。まあなんにせよ血痕を追えばわかるよな。



血痕を追い続けているとやがて上の階に続く階段へと到着した。

これで分かった事が一つ。2人は上に進んだって事だ。という事は上に進んでいけばいつか会えるに違いない。待ってろよ、俺が必ず助け出す。



そうしてカインは81階から100階までを不眠不休で進み続けた。しかも今までとは比べものにならないスピードで。たったの2日で100階まで到達したのだ。



いよいよこの上が100階か...結局2人には一度も会えなかった。もしかしたら2人は無事脱出して入れ違いになってるんじゃ....。いや、こんな事を考えてはいけない。とにかく100階に進むとしよう。もしそこで2人に会えなかったらどうするべきかもう一度考えよう。

そうしてカインは100階への階段を登り始めた。


階段を登るに連れて何やら騒がしい音が聞こえてきた。おそらく人の声だ。もしかしたら2人かもしれない!

そう思いカインは階段を駆け上がる、が階段を登りきった時に見えた光景は全く自分の想像していたものとは異なっていた。

そこには村の様なものがあった。通りには屋台が建ち並び、沢山の人で賑わっている。通りの真ん中には広場がありそこにはたくさんのテントが建っていた。


「これは....もしかしてタワーの中にある街?ただの噂じゃなかったのか...」

そんな事を呟き通りを眺めていると後ろから声をかけられた。

誰かと思い振り向くとそこには警備所の様なものが設置されていた。武器を持った男が何人もいる。


「やあ、新入りさん。ゆっくりして行ってくれ。ここはセントラルタワーの中にある街、というよりは村かな?シティ・イン・タワーだよ」

声の主はなんとイエローマンの男性だった。

「イエローマン!?」


「あはは...。その反応は久しぶりだね。安心していいよ。勘違いされやすいけど僕らは君らと戦いたくて戦ってる訳じゃないんだ。僕はここの責任者のイルス。それより君もタワーに眠る宝を探しに来たのかな?」

「いや。俺は人を探しにきた。夫婦、もしくは男と女の子を見なかったか?」


「うーん、夫婦ならしばらく前にここにきた気がするんだけど....。男と女の子は見てないね。広場に行くといいよ。あそこには君とおんなじように外からやってきた人たちが集まっているから。ここに来る途中で何か見ているかもしれない」

「ありがとう。そこに行ってみるよ」


「あ!待って。君はラストソルジャーズのイエローマン殲滅作戦に参加した人かな?ああ、安心していいよ。たとえ参加していたとしても君をどうこうしようとは思ってないから」

うう....。ちょっと話しにくいな。

「参加したよ」

「じゃあその時に頑固なイエローマンのじじいを見なかった?」

「あ...ああ。見た。そいつは死んだよ。最後まで戦ってな」

「そっか...。いずれそうなるとは思っていたけど、やっぱり寂しいもんだね」


「一つ聞いていいか?あんたとそのじじいはどういう関係だ?」

「そうだなぁ、ま、親子みたいなもんさ。僕も元々はあそこに住んでいたんだけどね。いずれ人間に攻められると思っていたから、違う所に行こうと提案したんだけどね。意見が二つに分かれちゃってさ。ここにいるイエローマンはみんな移動派だよ」

「そうか。じゃあ俺はとりあえず広場に行くよ」


イエローマン...。本当にあいつらを殺してもよかったんだろうか....

試験で投稿が遅れました。

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