表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/24

火の使徒だ。

「「「「火の使徒万歳!」」」」

「「「「火の使徒こそ救世主!」」」」

俺は広場を見渡す椅子に座り、俺を崇める人々を見ている。椅子の横には冷や汗を流しながらレントとラスが棒立ちしている。

「ちょっと、やりすぎたな....」

俺は自分の行き過ぎた行為を深く反省した。っと言ってもこの状況が変わるわけでは無いが。


ーーー

ーー

さて時間を遡る事約30分前。

俺達はスケルトンズの男の案内でラーザスというスケルトンズの本拠地の前まで行き、門が開くのを待っている。


ラーザスはローチス山の近くにある大規模な要塞だ。大きさで言えばアリーピーにも匹敵する。

ラーザスは上から見て六角形の要塞だ。外壁には固定銃座や、スナイパーなどなど兵士が24時間配置されている。


ラーザスのど真ん中にはどでかいゴシック建築式の教会がある。その教会は普通の教会の役割も果たしているが同時に、行政機関としても機能しているそうだ。


そして教会を取り囲む様に円形に住宅が広がっている。

住宅は意外と近代的で普通に地球にある様な家ばかりだ。

住宅と住宅の間にはまばらにあらゆる種類の店が存在している。


そして外壁に沿う様にしてあらゆる軍事機関が設置されている。


ここラーザスにいる者達には他の街にいる者達とは異なる特徴がある。

それは、火焔教という宗教を信仰している事らしい。 それは名前の通り火を信仰する物だそうだ。

そして火焔教の中で、いわゆるキリスト教におけるイエス的な存在が俺こと、火の使徒らしい。


ちなみにこれは門が開くのを待つ間スケルトンズの男がレントとラスに鼻を高くして説明していたものだ。


門が開くと、その先は教会まで続く大通りとなっていた。

「ささ、こちらです」

男の声に従って大通りを進み始めた。

街の人がこちらをチラチラ見てくる。

見た所全員の服のどこかに骸骨の口から火が噴き出ている模様があしらってある。

紋章みたいなもんか?


「うう。こんな沢山の人に見られるのは初めてだよ」

ラスは少し緊張しつつもワクワクしながら街の様子を眺めている。


「僕もあんまり知らない人に見られるのは好きじゃないですね。見た所カインさんは大丈夫そうですけど」

「まあな」

だって前の世界ではもっと沢山の人に見られた事あったし。

はあ、何だか前の世界が懐かしくなってきた...


教会の中に入ると円形の広場の様になっていた。中心にはおそらく火の使徒であろう像が鎮座している。その周りには黒いローブを着た信徒達が像に向かって祈りを捧げている。


そのまま俺達は奥に案内され待合室の様な場所で待たされた。どうやら奥の部屋にはここのリーダーがいる様だ。


「どうぞこちらへ、神父様がお待ちです」

扉が開き俺達を案内して来た男が礼をした。


「ああ、お待ちを。神父様に会えるのは火の使徒様のみです。2人はこちらでお待ち下さい」

部屋に入ろうとすると男に呼び止められた。


「仕方ない。俺だけ行ってくる」

「気をつけて下さいね」


部屋に入ると神父服を着た40歳代で短髪の男が床に跪き両手を合わしていた。

「ああ、貴方が本当に火の使徒様であらせられるのですね。私はここの神父、イスです」


部屋の中は礼拝所の様になっており、大きさは学校の教室1個分ほどだ。

一番奥には火の使徒であろう人物が描かれている立派なステンドグラスが取り付けてある。

両脇の棚には様々な加工品が飾られている。


「えーと、俺は火の使徒じゃあないんだ。すまんな」

「何を仰るのですか。貴方様からは力が、炎が満ち満ちと溢れております。貴方様が火の使徒でなければ一体誰が火の使徒となれるのでしょう?」


困ったなー。俺はこういう信心深いタイプは苦手何だ。今一話が噛み合わないからな。

もうめんどくさいから火の使徒って事でいいか。


「えと、オホン。その通り私が火の使徒だ。お前に聞きたい事があるのだが」

おっ、意外とそれっぽくね?


「何でしょうか。何なりとお聞きください」

「では一つ、ここのすぐ近くにあるアリーピーという街だが何故あんな有り様になったんだ?」


「ああ、アリーピー。我らの良き隣人でした。我らが気づいた時には既に手遅れでした。たった1日でアリーピーは何者かの手によって蹂躙されてしまったのです」

イスが大げさに身振り手振りをつけ説明する。


たった1日で?レントが正しかったら、そんなのありえないはずなんだが。


「そうか。ではーー」

「ああ!お待ち下さい。言わずとも分かります。かの街の炎を再びつけてくださるのでしょう?」

いや、違うんだけど...

どーせ違うと言っても無駄だろうし雑用を引き受けてやるか。


「え、えと、その炎とは何だ?」

「ああ使徒よ。私を試していらっしゃるのですね。もちろん炎とは貴方様があの街で一番天に近き建物にお造りなさった炎に決まっております」


そういえばアリーピーの中に唯一明かりのついてる建物があったな。あれのことだろうか?


「そ、その通り。敬虔で何よりだ。ではそこに案内せよ。もちろん従者の2人も連れて行くからな」

「ええもちろんです。ですがその前に信徒達に貴方様の到着を知らせても良いでしょうか?」

イスがゆっくりと立ち上がった。

「よろしい」


ーーー

ーー

そして冒頭に至る訳だ。

群衆の前で調子に乗ってファイアを披露してしまい、騒ぎが全く鎮まらなくなってしまった。

群衆達からの歓声を3人で気まずい中15分間も聞かされた。

ようやく騒ぎが鎮まり皆が家や兵舎に戻るとイスが現れた。

「では案内しますね」


ーーー

ーー

イスと共にアリーピーの中までやって来て、例の建物の前までやって来た。

建物まで案内するとイスは、信じております!とかなんとか言って足早に去っていった。

マジでメンドくせえなあいつ。


「あれ見てよ!」

ラスが指差した方を俺とレントが同時に見た。

そこには前会ったサンドワームいや、砂漠の覇者の方が正しいか?

まあとりあえずそいつら5人が入り口の前で円になって何か話し合っていた。


「レント、お前あいつらの事知ってるぽかったよな。話をつけてきてくれ」

レントが困った顔をしながらサンドワームを見ている。

「いや、それがですね。知ってるのは知ってるんですけどどうも向こうは覚えてないみたいで。ここはカインさんが行くべきですよ。リーダーですし」

こいつ面倒ごとを押し付けたいだけだろ...

っていつの間に俺はリーダーになったんだよ?!

ってなんで俺は脳内でツッコミをしてるんだ...


結局俺が行くことになり、ゆっくりと近づき向こうが気づいてから声をかけた。

「おい、ここで何してるんだ?」

部下が銃を構えるのをリーダーが手で止めた。


「お前は何時ぞやの。そっちこそ何しにきたんだ。俺達はもうお前達を襲うつもりはないぜ。見た所あの機械やろうは腕がたちそうだからな」


「それならそれでいいんだが、そこを退いてくれないか?俺達は今からその中に入らないといけないんだ」

リーダーの顔が少し明るくなった。

「本当か!?何故?とは聞かないから俺達も連れていってくれないか?俺達の仲間が1人ここに捕まってるんだ」


「捕まってる?ここに誰か人がいるのか?そんな話は聞いてないぞ。ここはただの、なんだ、工場的な場所だろ?」


「おい、何言ってんだ。今こんなかにはここを襲った奴らがいるんだよ」

リーダーが驚き彼の目が丸くなった。


「本当か!ここは一体誰に襲われたんだ!?」

思わず早口になってしまう。

「わからない。見た事がない連中さ。突然現れここをあっという間に制圧しやがった。そんな事より連れていってくれるんだろ?俺は何回かこのマグマ発電所に来たことがあるんだ。きっと役にたてるぜ」


ここはマグマ発電所だったのか。

「まあ利害は一致している。文句はない。待っててくれ。仲間と話してくる」

レントとラスに彼らも一緒に行くことにを説明した。

最初は嫌がってたがなんとか説得できた。


ということで俺達には一時的ではあるが仲間が加わった。

よく見ると彼らは結構いい装備をしている。

アーマーはもちろん武器、服もそこら辺に転がっているもんではないだろう。


「そうだ。自己紹介を忘れていたな。俺はスロット、砂漠の覇者のリーダーだ」

スロットの一言で俺達は互いに自己紹介をした。


「じゃあ自己紹介も終わったしそろそろ進もう。俺とスロットが先頭、後は適当でいいよな」

皆が首肯した。まあ砂漠の覇者の何人かはスロットに配置の確認をとっていたが。


さっさとこの面倒ごとを終わらせよう。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ