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アリーピー

怪しげな緑色のランプが光る部屋で男がニヤついている。

「これで世界がより良くなるぞカイン!」

なんだ....これ?

夢でも見てるのか?

「黙れ、俺は別に世界がどうなろうと知らん。こいつを使ってやり直したいだけだ」

なんで俺が喋ってるんだ?

なぜ奴らは俺の姿が見えていない?

目の前にいる俺は誰だ?

何か思い出せる、そんな気がした時カインの意識は暗闇へと落ちていった。


ーーー

ーー

「それで、後どれだけ歩けばいいんだよ」

「何言ってるんですか、まだ2日はかかりますよ」


俺達は今アリーピーへと行くためにセントラルタワーから見て西の砂漠地帯を突破しようとしている。

砂漠といってもいわゆる砂だらけの砂漠ではなくアメリカの西部劇にでてきそうな感じの砂漠だ。


「でも、大分疲れたよ。ここ最近はまずいサソリしか食べてないし。何でフィストからもらった缶詰を食べないの?」

ラスが汗を拭きながらレントに尋ねた。


「それはね、缶詰をアリーピーについたら他の物と交換するためだよ。確かに食料も大事だけどより大事なのは信頼と銃弾だよ。食料はいざとなればそこらへんに転がってるしね」


「食料が転がってるだぁ?本気で言ってんのか?この砂漠を2日は歩いたが食いもん何て全然なかったぞ」


「いやいや、カインさんがよく見てないだけでいっぱい有りましたよ。例えばそこに細長い草がありますよね?」


確かに岩だらけの地面に数センチ程の長さのススキの様なものが生えている。


「それは生で食べると毒が回って数分で死にますが、火で炙ればちゃんと食べられます。他にも石ころの裏にはサソリの卵がたまにあってそれも正しく調理すれば食べる事ができます」


ええ...サソリだけでも結構きついのに草と卵とかまじかよ。

日本に居た頃の食いもんが懐かしいなー、やっぱ食に関しては地球が一番だな!


「でもレント何でそんな事知ってるの?昔ここら辺に住んでたりしたの?」

とラスが質問する。


「まあ傭兵やってましたし、そういう知識は嫌でも必要になるんですよ」

にしても未だにこいつが傭兵だったとは信じられん。こんなに人のいい奴なのに暗殺とかやってたのかな?


「そーだな。じゃあ今日の野宿の時の話題はレントの傭兵時代の話にしよう」


「そんなに僕の話が聞きたいんですか?面白くないと思いますけど、まあカインさんの頼みなら聞いてあげましょう」

これは今日の夜が楽しみだ!


ーーーーー


陽も大分落ちてきて辺りも暗くなり、だんだん寒くなってきた。


「それじゃあ今日はここでキャンプをしましょう」

この一言を待っていたと言わんばかりにラスが素早く準備を始めた。

俺も突っ立ってると怒られるし準備するか。


テントができ、火がつきいよいよ食事だ。

今日は良いものを食べられると期待していたが、バックパックからレントがいつものサソリを取り出すのを見て一気にテンションが下がった。


サソリの味は悪くはない。だがどうにも噛むたびにプチっとなるあの感触だけは未だに慣れない。


「それでレントの話をしてくれるんだよな?」

「そうそう、あたしも聞きたいな」


レントがサソリを火で焼きながら話し始めた。

「そうですね、じゃあ任務中にあった奇妙な話でもしますか。あれは確かーーー」

レントの奇妙な話を聞きながら俺達は夜を過ごしていた。


そしてそろそろ眠くなってきた時に突然地面から音がした。

「おい、地面から何か音がしたぞ」


「本当?あたしは何も聞こえなかったけど?空耳じゃないの?」


「僕も何も聞こえませんでしたが...」

なんだ気のせいか、と言おうとした時に急に地面から10人程銃を持った男が飛び出てきた。


「よーしお前ら!絶対に動くんじゃねえぞ!動いたらズドンだ!」

何かの角の飾りを頭につけた男が怒鳴った。


「ねえ、レントこの人達は?」

「ハア、最悪だ....こいつらはサンドワームっていうグループだよ」

レントが顔をしかめながらラスに教えた。


「おいおい!その名前は正しくねえな!俺達の名前は砂漠の覇者!ここら一帯を取り仕切ってるのさ!」

「その通りだ!」

「さすがボスっ!」

角の男が言うと周りの子分っぽい奴らが合いの手を入れてきた。


俺がリーダーに向かって話しかける。

「それで、お前達の望みは?このテントか?このまずいサソリか?それとも水か?」


「いやいや、俺達が欲しいのはーーー」

「おい見ろ!クリーナーだ!」

そう叫んだ男が一瞬にして上空に消え去った。


「くそっ!全員退避!」

すると男達が砂の中に姿がを消した。


最初は暗くてよく見えなかったがクリーナーと言われていたものは頭が三つ生えた鷲の様な鳥だった。


「皆あそこの隙間に!」

レントが叫び、岩と地面の間にできた小さな隙間を指差した。だがどう考えても寝転がらないと3人も入ることはできないだろう。


「二人とも早く入れ!」

剣で襲いかかってくる爪を弾きながら二人に叫ぶ。レントとラスが隙間に入ったのを見て俺も隙間に向かう。


「ハア、ハア!」

何とか岩の手前までたどり着き、隙間に入ろうとした時クリーナーに足を掴まれ逆さ吊りの状態になってしまった。


「カイン!すぐ助けるからちょっと待ってて!」

ラスが背中のライフルを取り出しこちらに構えた。


「ダメだよラスちゃん!カインさんに当たってしまう!」

「大丈夫、あたしを信じて!」

「何でも良いから早くしてぇぇぇぇぇ!」

ズドン!


銃声と共に俺は無事地面に帰還した。重力って素晴らしいな!素早く隙間に転がり、また足を掴まれかけたが今度は何とか間に合った。


「ははは...はは.は」笑いしかこぼれない。

「無事で良かったですよ。かなりヒヤヒヤしました」

「だから大丈夫って言ったでしょ?」

分かった分かった、何でも良いからもうちょっとスペースをくれ。まだ上空であいつが旋回してんだよ。


「でもラスちゃん今回は良かったけどもう2度としちゃいけないよ」

「なんでよーちゃんと鳥に当てたでしょ」

「それはたまたまでーー」

「分かったから静かにしてくれ〜死にかけた俺の事も考えてくれよ」


ーーー

ーー

あの後もレントとラスの言い合いは続いていた。

確かどっちの方が腕がいいか対決になったところまでは起きてたけど、気がついたら寝ていた。


目が覚めたが、どうやら俺が一番の様だ。

「二人ともー起きろー」

二人を揺す振り起こそうとする。


「ん、カインさん。ありがとうございます。昨日はついつい話が白熱して」

目をこすり岩の隙間から這い出てきた。

レントに続きラスが無言で出てきた。

まあ、まだ子供だし寝起きは確かにしんどい。


「なあレント、昨日のサンドワームって何なんだ」

サソリを焼きながら尋ねた。


「ああ、あいつらは何て言えばいいか...悪い奴らではないんですよ。ただちょっとコミュニケーションの取り方が悪くて誤解されてるんですよ」

まあいきなり銃を突きつけるのはいいコミュニケーションとは言えないな。


「ふーん。じゃああの鳥は何だったんだ?」


「あれはクリーナーですね。ここで死んだ者をよく食べるんでここの掃除屋みたいなもんですね。ですがここでは食物連鎖の頂点に君臨してます」


「あの鳥が?見かけによらないもんだな。ところでずっと気になってたんだが、お前の腕って誰に作ってもらったんだ?」


「これですか。これについてはちょっと言えません。秘密を好む人でね。でも少なくともカインさんをサイボーグにしたグループではないと誓います」

ふーん。まあ傭兵やってりゃ色々ツテがあるんだろう。


「二人とも、早く行こうよ」

いつの間にかラスがすっかり元気になっている。

そのままラスに急かされる様にして慌てて準備をした。さあ出発しよう。


ーーー

ーー

「なあ、これどういう事だ。アリーピーはここで合ってるんだよな?」

俺達はアリーピーにいた。

フィストの言っていた通りローチス山の中がポッカリと空洞になっていてそこにアリーピーがあった。アリーピーの街並みは西部劇に出てくる街の様だ。


レントによるとアリーピーは近くにいるスケルトンズとの交易で利益を上げそれなりにでかい街だと聞いていたが、そこに人影は無くそこら中に争った形跡が見える。


「ここで合ってるはずです。ですがこんなのはあり得るわけがない。アリーピーは強固な守りでも有名なんです。たった2日、3日で落とせるわけがありません」


「じゃあ内乱とか?街の人同士で争ったのかも?」

とラスが言った。


「それも無いと思います。ここ最近アリーピーは最もよい治世と言われていました」


困ったな。ここで情報が貰えると思ったんだが。

「とにかく役所的な所に行かないか?」


「そうですね、役所は確か....発電所も止まってるんですかね。暗くて道が分かりませんよ」

レントの言う通り街は電気がついておらず、足元ぐらいしかよく見えない。


手頃な木の破片を拾いそれにファイアで火をつける。

「やっぱりカインのーーー」

「あああああ!貴方こそ!貴方こそ!貴方こそ!火の使徒だ!!ずっと探し求めていた救世主!ああああ!」

ラスが何か言おうとしたが、突然男が暗闇から出てきて叫び始めた。そいつは顔にドクロのフェイスペイントをし防弾チョッキに骨の模様をあしらっている。


「お前誰だよ」

「ああ!火の使徒よ!言わずともお分かりでしょう!さあ今から聖地へお連れします!」

えぇ。話が通じないんですが。


「おいこいつ何?」

レントに耳打ちする。

「ちょっと分かりません。どっかのカルト信者ですかね?」

「あたしは知ってるよ」

ラスが俺とレントの間に割り入ってきた。


「スケルトンズだよ。まだカインと会う前に一回スケルトンズに会った事があるんだ。その人はもうちょっと話が通じる人だったけど。多分ついて行っても大丈夫だよ。確か今言ってた火の使徒って言うのを凄く尊敬してるらしいから」


「まあ、そいつらならここで起きた事も知っているかもな」

レントの目を見たがどうやら賛成の様だ。


「火の使徒よ!早くこちらに!」

俺達が話している間に男はいつの間にか進んでいた。

「分かった、今行く!」

さあ吉と出るか凶とでるか。

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