カイン・ラークの悩み
初の投稿です!
読みにくいかもしれませんがお許しを!
「もう飽きたな」
そんな事を呟きながら彼は朝ご飯の準備をする。
朝ご飯のパンを食べようとしたその時、
「誰か助けて!オークの集団が町に近づいてるわ!」
「またオークか...面倒だけど仕方ない」
そう言って彼はパジャマのまま町の門まで向かった。
「オークはざっと100体ぐらいか?楽勝だな」
彼は一歩ずつオークへとダルそうな足取りで接近して行く。
「おい!そこのにいちゃん!オークに殺されちまうぞ!早くこっちに来い!」
彼の様子を見ていた住民が声をかける。
だがそんな住民の心配は数秒後には杞憂に終わっていた。
「おいオーク共!死にたくなかったらさっさと家に帰れ!」
彼はオークに向かって叫んだ。
「ブフフフフ!ひ弱な人間が戯言をほざいてるぞ!どうやって我らを一人で倒すのだ?しかも貴様はただのパジャマ姿の一般人じゃな」ボトッ
オークが全てを言い終える前に首が落ちた....しかも全ての。
血にまみれながら彼は言う。
「カスだったなぁ」
「あんたはもしやカイン...カイン・ラーク様?」
住民の問いを受け彼はがっくりと肩を落とした。
「バレた...そりゃそうか。この町ともおさらばだな。あと1日だけ滞在しよう」
読者はカイン・ラークという名前を聞いた事があるだろうか?
ないに決まってるよね。
彼の名前はカイン・ラーク、四人の英雄のうちの一人で、転生者。
「本当に飽きた!もう嫌この世界!成り行きで旅してたら英雄になってるし...強くなりすぎて大体のモンスターは一撃で倒せるし...」
カインは布団に潜りながら半ば泣いてるように愚痴をこぼす。
これはカインにとっては日課のようなものだ。
英雄になってからカインはこの世界に退屈している。 贅沢な奴だ。
その時カインの頭に電流が走ったかのようにあるアイデアが思いついた。
「またあの女神様に転生を頼もう!いいぞー!流石俺っ!天才だ!」
そしてカインは眠りに落ちた。
「もしもーし?女神様ー?いるんでしょう?」
「はいはーい。なんでしょう斗真様」
聞くもの全ての心を癒すような柔らかい声が辺り一面に広がった。
といっても、ここはカインの精神世界だが。
「ちょっとお願いがあるんですけどー。また転生させてくれません?後本名で呼ぶのやめて」
本名で呼ばれた事に少しイラつきながら女神に話しかける。
「何故また転生したいのですか?あなたはあの世界で楽しくやってたと思うのですが?ちゃんと英雄にさせてあげましたし」
「それですよそれ!英雄になったせいで自由に生きられないんですよね。町に行く度にお祭りをされる身にもなってください。もちろん最初は可愛い女の子と話せて楽しかったけど...」
町に訪れる度に英雄だ勇者だと持ち上げられた事を思いながらカインは切実に語る。
「そこでね、新たな冒険がしたいんですよ」
「なるほどー。非常に愉快でそのままでいいと思いますが斗真様が言うなら仕方ありませんね。どんな世界が良いですか?」
笑いをこらえながら女神はカインに語りかける。
「そうですねー。歯ごたえがあって楽しい世界ならどこでも。後本名で呼ぶのヤメロ」
一体何時になったらこの女神は名前で呼ぶのをやめてくれるのだろうーー
「じゃあ転生させますねー。それでは目を閉じてサヨナラー」