貴方と『君と』私と『俺と』
ある日、私は、視力を失った。
『ある日、俺は、力を手に入れた』
何も見えなくなった。
『何もかも見えるようになった』
お先真っ暗だ。
『明るい未来だ』
自分一人で何もできない。
『自分一人で何もかもできる』
でも、努力した。
『ただ、堕落した』
周りの人たちが助けてくれた。
『周りに誰もいなくなった』
以前よりも、心が温かい。
『最近ひどく、心が寒い』
あぁ、なんて、こんなに不自由なはずのに、幸せなんだ。
『あぁ、なぜ、全て思い通りのはずなのに、辛いんだ』
ある日、私は、貴方に出会う。
『ある日、俺は、君に出会う』
強力な毒を持ったようで、危険な貴方。
『儚く壊れてしまいそうで、危険な君』
貴方を私の力で助ける。
『君を俺の力で助ける』
安心して。
『安心しろ』
怖くないよ。
『怖くないさ』
どうか、受け入れてください。
『どうか、守らせてくれ』
貴方と過ごす日々。
『君と過ごす毎日』
とても楽しい。
『とても楽しい』
でも、貴方はいつも、他人を困らせる。
『だけど、君はいつも、人助けをする』
それは貴方を、孤独にするだけなのに。
『それは君が、我慢することになるのに』
また、他人を傷つけて。
『また、他人に手を差し伸べて』
それじゃ、恨みを持たれてしまう。
『それじゃ、妬みを持たれてしまう』
あぁ、貴方が刺されてしまった。
『くそ、俺が刺されてしまうとは』
動けない貴方は、酷く弱々しく、感じるの。
『まったく、なんであんたらの力を、借りねばならん』
早く元気になってね。
『早く元気になってやる』
皆さん、ありがとうございます、力を貸してくださって。
『けっ、助かったよ、礼は言う』
家が焼かれてしまった。
『家が焼かれてしまった』
犯人はあの奥さん。
『あのババアは捕まえた』
私のせいだ。
『君のせいじゃない』
私の性格はどうしてこうなのだろう。
『君の心はとても素晴らしいものだ』
貴方の愛が誰よりも優しい。
『俺の愛で君が癒されてくれると嬉しい』
人類の脅威、魔物。
『大群で、街に攻めてきやがった』
男性のほとんどは、他国との戦争に駆り出されてしまっているの。
『俺は怪我で動けず、戦争に行けなかったんだけどな』
戦えるのは、貴方だけ。
『戦えるのは、俺だけ』
行ってしまうのね、貴方。
『行ってくるよ、君』
周りの人が助けてくれるけど、今は貴方が恋しいの。
『周りに誰もいないが、俺には力がある』
寂しいわ。
『大丈夫だ』
貴方が帰ってくる家は、私が守るわ!
『君が住むあの街は、俺が守る!』
お疲れ様、貴方。
『ただいま、君』
皆感謝しているわ。
『君に感謝しているよ』
街を守ってくれてありがとう、って。
『家を守ってくれてありがとう、と』
私たち、結ばれました。
『俺たち、結婚したんだ』
これからも、夫を助けていく。
『これからも、妻を守っていく』
どうか皆さん、見守っていてください。
『なんだあんたら、見てんじゃねぇぞ』
もう、貴方!
『あぁ、はいはい』
穏やかな日々。
『変わらない毎日』
傍に貴方がいると感じる。
『隣に君がいると安心する』
ふふふ、今、とても幸せです。
『ははは、今、とても幸せだ』
作者はこんな書き方をしてみたかったので、書いてみました。
抽象的ですが、読者様はどう感じましたかね?
それでは失礼します。