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僕が綴る物語  作者: ハルハル
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急章 04 エンジョー



 僕の家から翠の家まではさほど遠くは無い。自転車で二十分ほどだ。

 凛ちゃんから聞いたことによると、どうやら翠が僕のことを呼んでいるそうだった。詳しい話は聞いてないみたいだけど、わざわざ凛ちゃんを使いに出す当り、大切な事があるのだろう。それはそうと、関係ない話だが、実は僕はまだ翠の携帯番号やメールアドレスを知らなかったりする。彼女の家の現状を初めて見たときから思っていたのだが、彼女は貧乏だったりするのか、と僕は思っている。それなのに、


「ケータイの番号教えてくれる?」

「実はケータイもってないの」

「あっ、そうなんだ…」


みたいに聞いたら、気まずい事になりかねない。いろんなことがあったけど僕の事無かれ主義からすれば、そんなことになるくらいなら知らないでもいいか、と済ませてしまっていた。


「今日当り、番号を聞いておくか。最悪家電でもいいし」


 今回の一件も掘り起こしていけば、彼女が僕の番号を知らなかったがために起こったことだ。これから先もこんな事があるくらいなら…と言う奴だ。聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥と言う奴である。

 そんなこんなを考えながら、せかせか自転車をこいでるとちょっとした人だかりにぶつかった。

もうすぐだと言うのに、この人だかりのせいで、目的地のアパートすら見えない。

自転車から降りて、押して歩くうちに、見覚えのある髪型の女が見えた。


「ん?いいところに来たな。話があるんだ」


 そういう彼女のバックに映るのは、燃えカスと言うべきような姿になった彼女の自宅があった。

 木造のアパートだからなぁ、燃えやすかったんだろう。さぞかし盛大に燃え盛ったんだろう。少々大きめの木炭が大量に出来上がっていた。普通、いくら人だかりがあったからって、アパートが一つ丸々見えなくなるなんてことは無いもんな。

「翠さん。これは、どうしちゃったの?」

「ん?見ての通りさ。燃えた」

「いやいや、胸を張っていうことじゃないでしょう」

「そうか?胸は張ってもいいくらいの燃えっぷりだったぞ?そりゃもう、ごうごうと燃え盛ったさ。たった今までもすごかったぞ」

「うわぁ、さっきまで燃えてたんだ。君は本当に肝が据わってるよな。普通そんなに落ち着けないだろ」

「そうだな。実のところ、少し動揺している。よし、とりあえず君の家に行こうか」

「ほんとに動揺してる!」




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