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急章 01 回転
前置きとして。
終焉したはずの物語を再び掘り返す事になるのだが、初めに言っておこう。この物語の語りは僕だが、その面たる主役も僕と言うことになる。ありていに言えば、少し美化された物語になっているかもしれない。
とは言え、もともと僕には二度目があるなんて思ってもみなかった。そもそも、一人の人間の物語を綴るといって置きながら、この程度しか語らずにやめたのは、この先の話が僕と君のありきたりな桃色話になると思っていたからだ。そんな僕がもう一度、綴るべき物語が出来た背景に、一つの手紙があった。
黒い封筒が、僕の元に届いた事が鍵となった。
少々余裕を持って、届く一日前、終焉からおよそ二ヶ月がたった頃から綴っていこう。




