破章 08 シスコンと相性の良いS
食後の団欒のひと時を終えて、僕ら四人は落ち着いて、ソファに腰をかけていた。
「君はどういった要件で此処に来たんだ?」
恥ずかしい場面を見られたこともあって、訊きそびれていたが、まだ君が僕の家に来た理由を僕は知らない。
「彼女が彼氏の家に遊びに来る事が不自然なのか?」
「全くそんな事は無いけど、それでも何かあったのかな、と思うだろう?」
「君がそんなに気になると言うなら仕方ない。君が忘れ物をしたから私はそれを届けに来たんだ」
「え?何か忘れて帰ってたのか?」
「ああ、まだ勉強してないだろう?」
「…」
忘れてました。
「けど、今日はなしにして、明日に勉強しようと言ったじゃないか」
「確かに、明日の勉強は図書館でしよう、と言ったが、まだ今日の勉強は終わっていない」
「いやいや、もう今日はいいんじゃないか?僕も疲れているし、明日からにしようよ」
「それでは私が困るのだよ」
「何が?」
「私は、今日から勉強を始めようと言ったんだ。約束は守らないと、だろう?」
「…」
三人の間にアイコンタクトが交わされた。
「おにぃ、私はもう部屋に戻ってるね」
「お姉ちゃん。私は先に帰ってるね」
「さあ、二人だけだ。始めようか」
勉強道具の中に見えた縄、鞭、蝋燭はただの冗談で終わってほしかった。




