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僕が綴る物語  作者: ハルハル
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序章 12 はじまり


 翌日、僕は人が居ない住宅街を歩いていると、アイアスと再び出会った。


「お久しぶりですね。その後、彼女さんとはどうですか」

「な、なんでお前がそんな事を知っているんだよ」

「それは、まぁ。悪魔ですから」

「前から気になっていたけど、お前、本当に悪魔なのか?」


 僕がこの質問をするとアイアスは驚いた顔を見せて、ゆっくり賞賛の拍手を送った。


「すごいです。僕の予想では、気付くのは、君ではなく翠さんのほうだと思っていましたのに。

思っている通り、僕は悪魔ではありません」


 そう言って、アイアスはその姿を変えていった。霧ではなく、

「僕は、悪魔ではなく、天使なんです」

 美しい白い羽を持つ、天使と言うのにふさわしい姿に。

「天使の僕が祝福したんですから、君達はきっと幸せになれます。どんな苦難や戦いも乗り越えられます。では、お幸せに」


 羽ばたいて消えていった。落ちて来る羽は途中で霧散して消えていった。その中一枚だけ、残った羽があった。綺麗なその羽を、そっとポケットにしまい、目的の場所に向かった。


「彼女を待たせるようでは、何時までたっても私の罵倒の言葉は減らないぞ」

 住宅街にある公園の前に立って待っていたのは有木翠。

「ん?何だ。渡したいものがあるなら、さっさと出したらどうだ」

 彼女の力は健在で、いつか消えると分かった今、好きなように使っている。

 僕はさっきしまった羽を出して、言った。

「さっき、天使に会ったんだよ」


 僕は、思う。天使に会うことは必然で、僕が君の物語を書こうと思ったのも必然で、僕が君の物語を綴ることでこうなる事も必然だったんじゃないかって。

「そういえば、私の事を書いた物語はどうなったんだ」

「まだ終わらないさ。むしろ、やっとスタートラインに立ったようなものだ。これからも、君の物語を書いていくよ」


 君は、静かに笑って、言った。


「君の好きにしたらいいさ」


 僕は君の笑顔を心に納めて、改めて、君の物語を書くことを決めた。しかし、これから綴るのは、僕と君の二人で紡ぐ、君の奮闘の物語。

僕と君の出会いの物語はこれでおしまいだ。だけどこれは終わりではなく、始まりだ。二人の物語の始まりだ。



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