6話 東京
「これがスカイツリーか‼高いな〜‼」
「わーみんな歩くのはやー‼」
「おいおい騒ぐなよ、田舎もんと思われるだろ」
「翔吾、お前一回東京来たことあるからって調子にのんなよ。」
「東京のことは俺になんでも聞けよ。第二の故郷みたいなもんだ。」
と言うわけで俺らは今東京に来ている。清香に会いに行くためだ。
「清香はどこだ?」
「んー多分ここら辺…あっ‼ここだわ。」
「…えっここ?」
「えっちゃんは嘘が下手だな〜冗談は顔だけにしてく…」
ドカッ‼
「はうっ‼…」
翔吾は音もなく崩れ落ちた。
「絵里、確かにここで間違いないのか?」
「多分…」
みんなが疑うのも無理はない。
目の前には東京都のど真ん中にそびえる大豪邸がある。
「と、とりあえず入ってみよう。」
そう言って入ろうとしたとき中からショートヘアーの女性が出てきた。少し大人びた感じはしたが確かに清香だった。
「あれっ⁉清香ちゃんじゃん‼おーい清香ちゃーん‼」ようやく起き上がった翔吾が清香に向かって手を振った。それに気づいた清香は急いで家の中に入ってしまった。
「様子がおかしいな。ちょっと追ってみようぜ‼」と言って俺は清香を追って庭に入ったがあまりに庭が広くて見失ってしまった。
「とりあえず玄関を探そう…」
広過ぎてどこが玄関かもわからない。
ようやく見つけた玄関のドアを叩いてみる。
「どなたですか?」
「清香さんの昔の友人です。清香さんはいますか。」
「 清香様はあなた方に会いたくないと言われております。どうかお引き取りを。」
「そんなはずは…一目会わせてください‼」
「なりません。これ以上しつこいようでしたら警察を呼びますよ。」
「…失礼しました。」
そう言って俺らはそこを後にした。
「清香様…これでよろしかったのですか?」
「……はい。ありがとうございました。」
「清香、どういうつもりなんだ。」
「私にもなにがなんだか…」
「もしかして俺らのこと嫌いになったんじゃない?あんな事件に巻き込んだんだからしょうがないか。」
「清香はそんな奴じゃない‼…と思う。」
たしかにその考えは捨てきれない。
「どちらにせよ清香ちゃんのことは諦めるしかないだろ。」
「いや、清香に会わないことには話は始まらない‼」
「じゃあどうやって会うの?」
「そ、それは……。いや、俺にいい考えがある‼2人ともこっちに来い。……ごにょごにょごにょごにょ」
「そんな方法うまくいくのかよ⁉」
「まぁちょっとした賭けではあるがな。」
「面白そう〜‼やってみる価値はありそうね‼」
そして俺らはその場を後にした。