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3話 絵里
「よしっ‼」
なんとかバイト代で新しいギターが買えそうだ。
後はメンバーに声をかけるだけだ。
絵里には悪いことを言った。まずは謝らなければ。
まずは絵里の家に行くことにした。
「ピンポーン」
「はいはーい」と言って出てきたのは絵里の母親だった。
「お久しぶりです」
「あら久しぶりねリュウちゃん‼絵里なら中にいるわよ。ほらあがって。」
と中に入るよう促されたのでおじゃましますと言って中に入った。
絵里の部屋のドアをノックした。
「絵里、そこにいるか?いるなら聞いてくれ。昨日はごめん。俺もう一回音楽することに決めた。もし良かったら…一緒にバンド…組まないか?」
沈黙が流れた後ゆっくりと中からドアが開けられた。そこには泣きじゃくる絵里の顔があった。
「ずっ、ずっと待ってたんだよ〜‼あのバンド解散なんかしてないじゃん‼みんなずっとあのバンドのメンバーだよ〜〜〜‼」
と言って絵里はその場に泣き崩れた。
俺の止まった時間はまた動き出そうとしている。