プロローグ2
「いよいよだな…」と気弱な声をもらしているのは翔吾。
「ついにこの時が〜‼ 緊張するわ〜‼」といかにも緊張してなさそうな声をあげるのは絵里。
「……が、頑張ろうね…」と清香。
「ぃよっしゃー‼‼いっちょやりますかー‼‼」と自分を奮い立たせようと大声をあげるのはこの俺、高木 竜介である。
「ちょっ、ちょっと待てリュウ‼雄大がまだだぞ‼」
そうこのバンドは五人編成となっている。
ギター&ボーカルの俺。ベースの翔吾。ドラムの絵里。キーボードの清香。そしてもう一人のボーカルである雄大。
「雄大は…多分来ない…」
「どっどうして⁉」
「来ないものは来ないんだ‼ほら始めるぞ‼」
「な、何だよそれ…わかったよ。じゃあ始めるか」
雄大がなぜ来ないのかと言うと、昨日俺と雄大が清香を取り合って喧嘩をしたからだ。 もちろんそのことは清香を含め誰も知らない。
「まさかこんな大がかりな路上ライブが開けるなんてね〜 町長さんに感謝だわ‼」
ここは福岡県ではあるが外れにある田舎なのだ。商店街を活気づけるためですというと町長はすぐに了承した。
「おら〜ライブはじめっぞ〜‼‼」
「イェーイ‼」
俺ら四人と観客であるクラスメート数名のみでこの路上ライブは始まった。
自分的にはかなり盛り上がっていた。
だがそんな中悲劇は起きたんだ…