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息抜きで行く異世界旅行~婚約者まじ殺す^^  作者: 月蜜慈雨


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5/6

思い出してきたこともあるよね




 いつ頃戻れるかとか、なんで私が異世界人だって分かったとか、そういうことはあの夜もそれ以降も聞かなかった。多分その時がくれば分かるんだろう。多分。

 そして悩みの大部分が解消された私はどんどん元気なっていった。

 もとより自分はバイタリティーのある方だ。

 自由時間である午前は、釣りをしたり、浜辺で海の幸を取ったり、食料を探すことに力を注いだ。

 ただでさえ食い扶持一人分増えているのだ。

 これくらいはしたい。



 街の人とも仲良くなった。

 とても陽気で、踊ることが好きな人たち。

 祭りの日は特に盛大で、朝まで笑いが止むことがなかった。



 そんな人たちに囲まれて、笑うことが多くなった気がする。

 みんな私に何かを急かしたり、何かを期待したりなかった。住民だったらまた違うかもしれないけど。

 私はすっかり気を抜いて、毎日を楽しく過ごしていた。



 月が綺麗な夜だった。

 ちなみに異世界の月は二つだった。

 この世界では、双子月と呼ばれている。



 なんだか身体がざわざわして、聖堂に向かった。

 そこにはあの日の夜と同じようにルゲラ司祭がいた。

 ルゲラ司祭の微笑みを見て唐突に理解した。

 この日が来た、と。



 「ニカさん、手を」


 手を差し出すと、ルゲラ司祭が聖堂でよく配るお守りくれた。普通と違うのは、多分銀で出来ていることだ。

 言葉が詰まって、小さく「ありがとうございます」と言った。

 ここでの思い出が去来する。

 もう、二度と来ることは出来ない世界。

 穏やかな暮らし。

 優しい人たち。



 私は無理やり微笑んだ。上手くできているか分からない。



「さようなら」


「さようなら」


 気が付くと、私は玄関の前にいた。






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