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第四話 急転

朝、いつもの天井を見て目が覚めた。

部屋を出て、村の空気を吸いに行く。

部屋を出ると、目の前にレイがいた。


「おはようございます!ハレさん」

「おはよう」


レイは俺の顔色を見ると血相を変えて言った


「ハレさん!?顔が真っ青ですよ!?」

「寝不足だよ」


違う。昨日、5斬を振るった後遺症だ。だが、それを言ってしまえば、レイに迷惑をかける。

レイは俺を近くにある椅子に座らせると、ため息をついた。


「今日は安静です。外出禁止です」

「はい。すみません」


ぐっ、逆らえない。

というか、逆らう気力もない。


「後で神父様呼んできますから」

「え、そこまで大げさじゃ――」


レイはすでに扉を開けていた。


「大げさです。顔が死人です」


ひどい。そんなに俺の顔って死にかけか?



しばらくして、白髭の年配の人が部屋に入ってきた。

格好見る限り、この人が神父なんだろう。


「ほう……これは……」


俺の顔を見て、眉をひそめる。


「魔力の枯渇だね」

「……やっぱりか」


レイが目を丸くする。


「え、魔力切れって……そんなに使ったんですか?」

「まあ……少し、だけ」


神父は俺の脇腹の包帯を確認しながら言った。


「君は無属性魔法を先日使った子かな?」

「……はい」


一瞬、空気が止まる。


「やはりか。君が放った衝撃波はね、村の端まで響いていたんだよ」

「……すみません」

「あぁ、違う違う。怒っているんじゃないんだよ。もう使われてない家だったしね」


苦笑しながら神父は言った。

怒られると思っていた。だが、神父は静かに言った。


「しかし……この村に置いておくには、惜しいな」


神父は、真面目な顔でそう言った。


「え?」

「属性魔法を“形”にできる者は、今の時代ほとんどいないどころか、恐らく君1人だ」


レイが息をのむ。やはり魔力消費が激しいからか......。


「王都の魔法学園なら、君自身の扱いがわからない力でも、正しく鍛えられるだろう」


俺は思わず聞き返した。


「……学園?」


「正式には“王立統合魔法学園”だ」


二六年前のキーナの出身学校だ。


「……俺が、そこに?」


神父はうなずいた。


「私は昔、そこで教鞭を取っていたことがあってね。推薦状を書く。体が回復次第、向かうといい」


頭が、追いつかない。


王都。ライツのいる場所であり、キーナの出身校。

てか、この神父、何者なんだ?


「……行きます」


気づけば、そう答えていた。


神父は少しだけ、笑った。


「そう言うと思ったよ。実は、もう書いてあるんだ」


計算尽くってことか。俺は苦笑する。

レイは不安そうに俺を見る。


「……ハレさん、遠くへ行くんですか?」

「……ああ。でも」


俺は真面目な顔になり言う。


「また戻ってくる。借りは返さないとな」


レイはしばらく黙ってから、うなずいた。


「……約束ですよ」

「約束する」


俺は神父に向き直り、疑問を口にする。


「なんで、こんな得体の知れない子供を、無属性魔法があってもなんで推薦したんですか?」


神父は少し驚き、笑いながらいった。


「君、外見の割に老成しているね。理由か……“神託”と言えば、わかるかな?」

「神託、ですか?」


神なんて本当にいるのか。

そう思った俺を見透かしたように神父は言う。


「いや、すまない。私自身も信じてはいない。年甲斐もなく冗談を言ったね。ただの“勘”だよ」


勘って......。聖職者は第六感みたいなものが強くなるのか?


「勘、ですか?」

「昔、私は教鞭を取っていたと言ったね。だからわかるんだよ。優秀な子供が、ね」


神父が席を立つ。その時、何かを思い出したかのように言った。


「あぁ、そう。言い忘れるとこだったね。君が何者か、と言う質問はしないでおくよ。時期が来たら教えてくれたらうれしいね。老人の少ない楽しみとして待っておこう」


神父はそう言って部屋から出ていった。




その日の空は、やけに遠く感じた。


王都。学園。復讐の始まりの場所。


俺の“次の居場所”が、ようやく、決まった。

更新遅れました。すみません!!

読んでくださりありがとうございました。

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