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第三話 五斬・光神

朝の空気は、まだ冷たかった。

教会の裏庭。

人の気配がない時間を選んで、俺は剣を振っていた。


「……四斬までは、問題ないかな」


一斬、二斬、三斬。

異常なし。

四斬。

衝撃波も出るし、制御もできてる。が、息苦しさはなし。


(……さて)


問題は、次だ。

五斬・光神(アマテラス)。剣だった頃、キーナが使うと、世界そのものを切ってるみたいだった。

今の俺は、人の体、だからか。いや、違うな。魔力も少ない。


(……威力、抑えりゃ、大丈夫……)


胸の奥から、魔力を引っ張り出す。

できるだけ、ゆっくり。


「……五斬・光神(アマテラス)


剣を横に振った。

――ズン。

一拍遅れて、

バギィィンッ!!


「……うわっ!!」


吹き飛ばされた。

(ガハッッ!!)

背中から地面に叩きつけられる。


「……いや、ちょっと待て」


顔を上げると、

裏手の空き家が、屋根から壁まで一直線。


「……え?...家...斬れた......」


完全に、斬れた。


(……やりすぎた...これ)


立ち上がろうとした瞬間、視界がぐらっと揺れた。


「……あ、これ、やべ...」


心臓が変な音する。

ズン、ズン。

体が熱くて、寒い。もしかして......


「……魔力、切れた...かも......」


膝が抜けて、そのまま倒れる。息が、浅い。


(……これ死んじゃうやつ?)


キーナの笑う顔が浮かぶ。

――おいおい、無茶すんなよ。


「……無茶しちゃってますよ…キーナ…」

「ハレさん!!」


レイの声だ。

急いで駆け寄ってくる足音。


「な、なにしたんですか!?家が!真っ二つですよ!!」

「……失敗した……」


レイの顔が青ざめる。


「顔色やばいですよ!ちょっと待ってくださいね!」


レイは治癒魔法を俺に掛ける。

……が、弾かれた。


「……え?」


俺の体から、無属性の魔力が漏れてる。


「……拒否ってん……な……」


無属性の魔力は属性がある魔法を弾く性質がある。


「そんな…治癒魔法が…」

「……あ、やばい。落ち...る……」


視界が暗くなる。


(……守る技のはずやったのに……)

(……家、切ってどうすんだよ……)


意識が落ちた。

目を覚ますと、天井。

また、ここだよ。


「……何回目だよ、これ」


レイが椅子で寝てる。


「……レイ……」

「......っ、起きました!?」

「……何日寝てた?俺」

「……三日寝てました」

「……三日か……」


またかよ。


「……家は?」

「村の人たちで直してます」


胸が、ちょっと痛んだ。


「……怒ってるよな」

「……いえ、怒ってると言うか......怖がってます」


まぁ、そうなる。


「……完全に、やらかしたな」


少し沈黙。


「……ハレさん」

「……ん?」

「この力、今後は使用禁止です!」

「……はい」

「……それでも使うんですよね?」

「……使うと......思います......」


キーナの顔が脳裏に浮かぶ。


「……親友のためにな」


レイが、少しだけ笑う。


「……じゃあ」

「死なないでください」

「死にかける人は、英雄じゃないです」

「……耳が痛いね」


レイは驚いたように俺に言う。


「ハレさん...なんと言うか、会った時と比べて親しみやすくなっています」

「そうかな?初めての土地だし、警戒してたんじゃないかな?」


まただ。口調が軽くなっている。

これもまたいいか...。


「とりあえず、今は安静にしてくださいね!」


そう言い残し、レイは部屋を後にする。

窓の外で、木槌の音がしていた。

壊した家を直してる音だ。本当に申し訳ないと思う。

五斬は、今の俺には危険すぎる。


(……封印だな)


拳を握る。


(……次は……守る時だけ)


胸に残る違和感が、後日の事件の前触れだなんて、この時の俺は知らなかった.........。

読んでくださりありがとうございました!!!!!

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