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翠国の宝術師学校〈すいこくのほうじゅつしがっこう〉  作者: 江東うゆう
第一章 蛇と鋼玉の剣〈へびとこうぎょくのつるぎ〉
2/9

(一)始業式前〈しぎょうしきまえ〉

 (すい)国立(こくりつ)宝術(ほうじゅつ)学校(がっこう)は、六才(ろくさい)から一二才(じゅうにさい)までが(かよ)学校(がっこう)だ。

 四月(しがつ)七日(なのか)

 第五(だいご)学年(がくねん)となった明月(めいげつ)は、(いえ)から(ある)いて三十分(さんじゅっぷん)ほどの、 (すい)国立(こくりつ)宝術(ほうじゅつ)学校(がっこう)白鶴(はくつる)(こう)登校(とうこう)した。

 校門(こうもん)(ちか)づいたとき、五歩先(ごほさき)優等生(ゆうとうせい)夕空(ゆうぞら)背中(せなか)()えた。


夕空(ゆうぞら)ちゃん! おはよう! 今日(きょう)から五年生(ごねんせい)だねー」


 明月(めいげつ)はかけよって、となりにならんだ。

 そして、見上(みあ)げる。

 夕空(ゆうぞら)は、(おな)学年(がくねん)(なか)では()(たか)い。


「そうだね。担任(たんにん)先生(せんせい)、いい先生(せんせい)だといいなあ」


 おだやかな()み。

 明月(めいげつ)は「くうぅ」と(こころ)(なか)でこぶしをにぎる。この笑顔(えがお)()られたら、一日(いちにち)元気(げんき)でいられる。


「でもでも! 五年(ごねん)から、宝術(ほうじゅつ)実技(じつぎ)(はじ)まるじゃん。担任(たんにん)(へん)なのだとやだなー。きびしいとかさあ」

「それはそれで」


 ゆっくりと(ある)二人(ふたり)(よこ)を、陸広(りくひろ)がかけぬけていく。やんちゃなところがあるが、()(まえ)(あか)るさで人気(にんき)男子(だんし)だ。

 そのあとを、水沢(みずさわ)がよゆうの表情(ひょうじょう)()いかけていった。水沢(みずさわ)は、(あし)(はや)い。陸広(りくひろ)になんてすぐに()いつくだろう。真面目(まじめ)算数(さんすう)社会(しゃかい)成績(せいせき)もいい。人気(にんき)というか、尊敬(そんけい)されている男子(だんし)だ。


陸広(りくひろ)たちも、いっしょのクラスになるかなあ」


 明月(めいげつ)は、ふう、とため(いき)をつく。

 一学年(いちがくねん)()クラス。これが、この白鶴(はくつる)(こう)学年(がくねん)編成(へんせい)だ。むかしは最大(さいだい)(なな)クラスあったというが、少子化(しょうしか)とかで、()どもの人数(にんずう)がへっている。さらに、宝術(ほうじゅつ)学校(がっこう)入学時(にゅうがくじ)に、一応(いちおう)試験(しけん)があるから、よけいに(ひと)(すく)ない。


「そうだね。あの()たちがいっしょだと、クラスが(あか)るいよね……あ」


 夕空(ゆうぞら)が、すっと()(ほそ)めた。

 前方(ぜんぽう)で、水沢(みずさわ)()いつかれた陸広(りくひろ)(ころ)びそうになっている。


 夕空(ゆうぞら)がひとさし(ゆび)(かれ)らに()け、()()じる。

 とたん、あたたかい(かぜ)がふいて、陸広(りくひろ)(まえ)(ちい)さな(くも)ができた。

 その(うえ)に、二人(ふたり)が、ぼふん、と着地(ちゃくち)した。


 陸広(りくひろ)はわけがわからず、きょとんとしている。

 水沢(みずさわ)()づいて、ふりかえった。


「ありがとう! 夕空(ゆうぞら)!」


 夕空(ゆうぞら)が「(なん)でもないです」という(かお)をするのを()ながら、明月(めいげつ)は、みんなとクラスがいっしょだといいなあ、と(おも)った。


 そして、始業式(しぎょうしき)(はじ)まる。

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