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3番手

作者: 甘扁桃

「わたるもそう思うよな!」

「そうだけど、かずの言いたいこともわかるよ」

「なんだよかずの味方するのかよ!」


 そう俺に相談をしてくるのは友達のはじめ。決して親友ではなく友達である。そんな俺には最近悩みがある。それは俺はどう頑張っても何事も3番手であること。


「俺は相談に乗るけどはじめとかずがちゃんと話し合わないと解決しないと思うから一度3人で話そう」

「あぁ、わたるが言うならそうするよ……」


 話し合いの場を俺は設けるがいらないのではないかと思う。なぜなら会って一言二言ですぐに仲直りして何について喧嘩してたのかわからなくなっているからである。そして2人はいつも口を揃えて言う。


「「毎回、ありがとうなわたる!」」


 俺はこんな親友が1人もいない。正直羨ましい。


 かずもはじめも3人で出かけることはあるけど2人きりで出かけたことはないそこには何となく壁がある気がして踏み込めない。


 1番苦痛なのは体育の時間だ。先生の2人組作っての合図で俺は必ずと言っていいほど最後まで残る。この時親友がいればこんなに寂しい思いもしなくて済むのに。


 ある日学校の行事で一泊二日の校外学習が決まった。どうせまた、僕は1人最後まで残るのだろうと考えていたが、校外学習では班行動のため男女混合の6人グループを作ることになった。


 そこで事件は起きたのだ。はじめとかずと同じグループになろうとしたら他の友達からも班に入ってくれと頼まれた。


 正直俺は驚いた。なぜならそれが男子からだけでなく女子からも俺がいる班と組みたいと言ってくれる子が多かったからだ。


◇◇◇



「わたるは俺らの班だからお前らの班には行かねーよ」

「なんでだよ俺らとも仲良いんだよ」

「どっちでもいいけど私たちはわたるくんと同じ班がいいな」

「なんでわたるそんな人気なんだよ」

「だってわたるくん女子にもすごい優しいし友達多いし男子の中で1番話しかけやすいもの」

「確かに話しやすいし誰か呼ぶ時かならずわたるだもんな」



◇◇◇



 俺は結局はじめとかずと一緒の班にすることにした。確かに俺は3番手で親友と呼べる様なやつはいないかもしれないけど結構見られているんだなって思って嬉しかったから3番手バンザイって思える様になった。


「わたる!はやく行こうぜ!女子に俺らが怒られちまうよ」

「うん!」

「でも3人で班組めてよかったな。俺ら親友だもんな!」


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