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十一月 二
日常。
いつも通りの学校。いつも通りの教室。
しかしただ1つ、違う事があった。
それは服部がこのクラスから弾かれているという、嫌になるほどに鬱屈とした空気だった。
疎外感というものは案外溢れている。
見逃した昨夜のテレビの内容。視界の外の流行。学校という箱庭も、1つの箱とは限らない。
服部は教室に入ると、その嫌な空気をすぐに感じ取った。自分自身こうなる心当たりがあったという事もあるが、ある種の団結感に満ちていたその空間が、何よりも異質であった。
ふと、服部は八百坂の方に目線を向けた。
八百坂は、ばつが悪そうにしていて、服部と目が合うと、小刻みに首を横に振った。
本当にわかりやすい奴だと思いながらも、だったら誰が、と浮かぶ。
結果、何遍回っても、辿り着くのは1つの答えだった。認めたくないその答えは、一瞬にして異様な空気を塗り替えた。