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2-14 パーティの主役

 とりあえず、今日は厨房の隅っこであれこれと作っておいた。


 料理人の人には味見をしてもらったり、肉の下ごしらえやソースを作ってもらったり、ローストチキンをお願いしたり。


 今夜は彼らの賄いも少し豪勢なものになった。

 食材はもう少しあってもよかっただろうか。


 公爵夫人とリュールにも味見をしてもらって合格をもらった。


 翌日も、珍しく起こされる前に起きてしまったのでアメリから褒められてしまった。


「サヤ様は食べ物に関わる事があると早起きされるのですね。

 覚えておきましょう」


「もう、アメリったら。

 それは確かにその通りなのだけど」


 朝の戦争が終わった公爵家の広い厨房を借りて、昨日の続きを始めた。


「これで結構に本式のタレみたいな奴の仕込みは終了っと。

 漬けておくといいような食材は細かくして作業も終了したし。

 大量に作る料理の仕込みは終わったから、あれこれと試作してみようかな」


 当然、アメリは私と一緒に御手伝い。

 彼女の場合は自分の試食も兼ねているので。


 まずはチュールのおやつも兼ねて、フルーツタルトの試作から。

 やっぱり、パーティの主役とはこういう奴なのではないだろうか。


 なんといっても見かけが派手で美味しいし。

 フルーツは特上を用意したのは言うまでもない。


 用意しておいたタルト生地でいくつかタルト皿に敷き込んでおき、タルトの土台に敷くクレームダマンドを作る。


 この世界、何故かクレームダマンド用の少々変わった材料まで市販されている。

 これもきっと、あの青い鳥の犠牲者達の……。


 この家には完備されている魔導冷蔵庫で冷やしたクレームダマンドを裏ごしして、カスタードクリームと合わせてタルトの土台に入れて平らに均す。


 魔導オーブンで焼きながら、カスタードと生クリームを合わせて、それをタルト型から外したタルトの土台に絞り出して周囲に粉糖をかける。


 それから、タルト台を焼いて冷ますまでに準備をしておいたフルーツをこってりと盛った。


 相性がありそうなので、地球風の奴とこっち風のフルーツは一応分けてみた。

 フルーツなので、そう問題はないと思うのだが。


 要は酸味のあるフルーツと甘いタルトのクリームとの組み合わせなので、原理的には苺大福と同じだ。


 フルーツの味見さえしっかりとしておけば、そう失敗する事もなかろう。

 フルーツの癖については、よくお店で訊いてきた。


 もちろん、目玉となるのはとびっきり高くて美味しい奴だ。

 そういう物を出さないと慰労になんないから。

 まあ宮崎マンゴーみたいな立ち位置の奴かな。


 フルーツを持ち出したついでに、異世界フルーツでフルーツポンチを作ってみた。


 やっぱり、こういう物を置いておくとパーティでは映える。

 そうしておかないと、魚がない分は胸焼けしそうな肉三昧になってしまう。


 回復魔法士組から苦情が来そうだ。

 あっちの人達とは、今度スイーツパーティをしてもいいかな。


「あと、やっぱりサンドイッチは欲しいな」


「そうですね。

 立食パーティならあっても悪くないかと」


「どんなのがいいかな」


「やはり騎士団という事ですので、ボリュームのあるハムサンドなどは欲しいですね。

 せっかく高級なハムをお買いになられましたので。

 あと、高級卵も買いましたので、エッグサンドなんかも悪くないでしょう」


「よし、フルーツサンドを作ろう」


「この流れで、何故そうなるのです?」


「日本では流行っていたから。

 異世界フルーツサンドか。

 今から喉が鳴るなあ。


 あ、駄目だ。

 ホイップクリームがまだなかったんだった~。

 仕方がない。こいつはまた今度かな」


「そうですか。

 稀人の国で流行っていたというサンドイッチが食べられなくて残念です」


「まあまあ、そいつはそのうちに作るからさ。

 今日はタルトの試食といこうよ。


 四種類作ってみたから、小さいのを一切れずつね。

 またお昼の試食もあるし」


『どれからいこうかな』


「好きなのからいけばいいよ」


 そして、案外と異世界人とスイーツ魔物からは異世界産フルーツに軍配が上がった。


「うーむ、それは私も認めねばなるまい。

 地球と同じ奴も、あの店で買った奴は決して悪くはないと思うのだけれど」


 それから昼は各種サンドイッチを作ってみた。


 まずパンは厨房で焼いてもらった、ふっわふわの柔らかパンをパン用のスライサーで薄く切り、たっぷりのハムサンドにローストビーフサンド、エッグサンドにカツサンドにしてみた。


 後は、例の魔物肉サンドだ。

 肉系サンドには芥子バターもちゃんと塗って。


 一応、葉野菜も挟んでみたし。

 そしてクロワッサンっぽいようなパンにも具を挟んでみた。


 ハンバーグも焼いて、ハンバーガーの製作もチャレンジしてみた。


 超上等の肉を使い、ソースもここの料理人さんにお願いして作ってもらった物で高級野菜と一緒に挟んである。


 さすがにファストフードでは食べられない味だ。

 チーズも本格派の奴なのだ。


 海産物が手に入らないので、海老バーガーを作れないのが残念だ。


 あれ凄く好きだったのに。

 今度頑張ってシェイクでも作ろう。


 昼食後は、他の料理人さんも一緒になってオードブルの製作だ。

 最初の時に並べる冷製なんかの料理がほしい。


 生ハムも店で売っていたので買ったから、料理人さん達が薄切りにしてくれる。


 こいつは薄切りにすると乾いてしまいやすいので、別皿で用意してみた。


 そして、テリーヌだ。

 魔物のテリーヌかあ。

 一応、魔物肉は美味しい肉ばかり買ってきたので、いいのが出来てると思う。


 あとスープがいるな。

 冷めないようにする魔道具があるので、それに入れて出そう。


 後はやっぱりパン。

 焼きたてがガンガンと上がってくるので、どんどん収納に入れていく。


「いやあ、収納はいいですね。

 焼きたてのパンをたっぷりと仕舞っておける。

 熱々の料理も」


「まあ大きなパーティだと事前の準備が間に合いませんからね」


 かくして、本日もパーティの準備三昧で終わったのであった。


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