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懐かしい話し

作者: あっち

懐かしい話しをしよう


何処からともなく現れ

何処へともなく消えていった

うわさ話し



まだピアスをしている人が

それほど多くなく

針で友達の耳に穴を開けたりしていた

そんな時代


ある少女が

高校の入学記念の意味もこめて

ピアスの穴を開けることにした


お金がもったいないと

病院ではなく

自宅で開けてみたが

きちんと穴が開いてさっそくピアスをした


それから数日後

彼女は耳に違和感を感じた

なんだかムズかゆい気がする

鏡を見ると

ピアスの穴から白い糸のようなものが

ニョロリと出ているではないか

このダサイ糸がかゆみの原因だと思った彼女は

エイッ!と力をこめて糸を引きちぎった


あれ?停電かな……


いきなり彼女の目の前が真っ暗になってしまった

実はこの白い糸は視神経で

それを切ってしまった彼女は失明してしまったのだ



懐かしい話しをしよう


何処からともなく現れ

何処へともなく消えていった

うわさ話し



ある女子大生が

友達と旅行で中国にやってきた

街中を観光しているとき

友達が「服を見たい」といって衣料品店に入っていった


店の外でブラブラしながら待つことに


しかし

いつまで経っても店から出てこない

不安に思い店の中に入り探してみたが

そこにも友達の姿は見当たらなかった

店員にも聞いてみたが「そんな人間は見ていない」というばかり

警察にも相談したが手がかりを見つけることはできなかった

滞在先のホテルにも戻っておらず

友達は煙のように消えてしまった


泣く泣く日本へ帰り

しばらく間を置いて中国へ再び戻ってきた

だが努力もむなしく友達は一向に見つからなかった


捜索に疲れ

気分転換のために路地裏にある見世物小屋へと足を運んだ

「日本ダルマ」と書かれた看板にも興味をそそられた


小屋に入ると

看板にも書かれていた「日本ダルマ」が始まるところだった

そこで

とんでもないものを見ることになる


舞台の上では両手両足を切断され

樽のようなものに入れられた女が見世物にされていた

舌も抜かれているのだろうか?

女は声にならない悲鳴を上げている

見世物小屋の関係者らしき人間が

傍でニヤニヤしながらその様子を見ていた


『こんな悪趣味なものが見世物になるなんて……』

吐き気を抑えつつ舞台を見ていたがあることに気付き

気持ち悪さも忘れて呆然と立ちつくした


たった今

舞台の上で見世物になっている両手両足のない女

それはまぎれもなく

衣料品店から失踪した友達の変わり果てた姿だった



懐かしい話しをしよう


何処からともなく現れ

何処へともなく消えていった

うわさ話し



ある男性が

暇つぶしに鏡とじゃんけんをしていたら

鏡の中の自分に勝ってしまったことがあるという


鏡の中の男は

くやしそうな顔をした



記憶の片隅に今でも残る懐かしい話し



鴉の死骸は見たことない


膝にいるフジツボの話し


ゴキブリを食べた男



誰が考えて

どのように広がったのか・・・


不思議だなと今でも思いますが


答えなんて見つからないのでしょう


見つけたくないかも・・・

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