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とある日本の片隅で

その日 両親が亡くなった。


学校でその報を聞き関係者の集まる空港に行き…物言わぬ両親と再会後記憶が無い…


多くの人が亡くなった航空機事故はニュースで大題的に放送され『悲劇の人』と周りには見られ『孤独』になった。


引き取られた『伯父』の家でもそれは変わらず『周りに悲しみ』を撒き散らす自分の存在にがっかりしたのを覚えている。


自分の周りは『良い人』ばかりであった それが非常に心辛らく感じた。


気を使わせる自分の存在が嫌になり『良い人』達から逃げるように『一人旅』に出た俺…


「皆が優しすぎてツライなんて 贅沢だな…」


電車に揺られて、気の向くままの一人旅 ふと気付いた時には『家族旅行』出来た事のある 川のほとりに立っていた。


そこで『あの人』を見つける。


子供の頃に何度か見かけた『あの人』おぼろげな印象にしかなかった『あの人』の記憶が鮮烈に蘇る。


『ちょっと待って!』


気が付いたら追いかけていた。


『あの人』を追って辿り着いた先は神秘的な神社であった。


薄い霧が立ち込め 木々の下は分厚い苔 そして社殿の前の キツネの像


「稲荷神社?」


俺はあの人を追って『社殿』に入った。


神聖な領域に入った瞬間『思い出した』そう自分は一度死んだことが有る。


あれは少学2年生に成ったばかりの頃、両親に連れられてきたキャンプ場で『水難事故』で俺は一度死んだのだ。


水に流されもがき『あの人』を読んで気が付いた時


自分の身体が救急車で運ばれ…そこで心配のあまり泣き通津蹴る母を抱きしめる父の姿、それを上から見ていた。


それがあまりにも悲しかったので…『あの人』に『お願い』した。


俺の願いを『条件付き』で叶えてくれた『あの人』彼女は「妖怪」であった。


子供の頃に『信じて』いた『妖怪や神様』も大人になるにつれ すっかりと『忘れる』それが人の性(習性)…


『思い出した様ね?』


『あの人』『お姉さん』は狐の仮面を外しながら優しく聞いてきた。


「久しぶりです みくずさん」


そう答えると彼女は優しく抱きしめてくれた。


「覚悟は良いのよね?」


俺は肯いて答えた。


其処からの記憶は無いが『その時』 高校生 水城みずき 伊織いおりの人生は『終わった』



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



新たに『新生』して早 1年 『姉』の元で修業して あらゆる『事』を詰め込まれた。


もっとも受け継いだ『御霊』により『知っている事』なので思い出すような『修行』となって何だか日々『変わる』自分がとても変である。


「ふぅ 一日の終わりのお風呂は最高」


露天風呂で空の月を眺めながら『何も考えない』様にする。


「… … … ぽっ」


つい下を見て ぷかぷか浮かぶ…巨大イチゴ大福に思わず頬をイチゴに変える俺…変態かよ!


「自分の身体に 欲情するなんて」


浴場で欲情か!?おっさんか! いや高二だよ!と自分で突っ込みを入れつつ 風呂場を後にする。


色々有って俺『次代の九尾の狐 玉藻前』になりました。


高二の水城 伊織♂は 玉藻 伊織♀に生まれ変わりました!玉が無くなって!新たな玉になった!?ってうるさいよ俺…


「修行場」のここには『姉』以外 誰も居ない…その『姉』も『天孤』となる準備で忙しいらしくここ最近此方に来ない…


取り合えず 『座禅』のまま『寝る』 九尾になって疲れや痛みに強くなった。


いや 忍耐力?が異常に強くなった。


この一年『食事無し』『休息無し』『睡眠は座禅』『お風呂自由』とハードな修行が続いている(お風呂が最大の試練)。


『姉』は『御霊』を俺に遷した事で実態を失い『再構成』している為『念話』でしか会話が出来ない、其の為 俺の修業は『御霊』との融合?対話?が主になる。


『御霊』とは巨大な『力』『記憶』『個性』だと思う。


俺はその『器』と言った処か、『白面金毛九尾狐』と『お稲荷様』その2つの顔をもつこの『御霊』そもそも、お稲荷様のみ使いが『狐』なので有って キツネが神では無いのだが、長い時間の中で仏教や大陸的思想の妖術=狐などのイメージから歪んで結合し『結実』したのが今の玉藻の『御霊』である。


次代を引き継ぐには『今の御霊と融合出切る今の魂』が必要で、小2のあの時に『種』を植え付けられた俺が『約束どうり』引き継ぐ事になったのだった。


何年も体内に有り馴染んだ『種』それが今俺の中で発芽し『変化』してなじませるための修業中という訳である。


『姉』との約束は『お父さんとお母さんが居る限り一緒に居たい』であり、まさか二人がこんなに早く一緒に旅立つなんて、子供の俺は考えなかったのだろう。


『姉』も未来が見える訳では無いので『心苦しいが』と言ってくれたが、約束を堅持させてもらった。


伯父の夫婦や友人達には悪いが、あの日の『約束』が果たせる事を俺は心から望んでいた。


両親が生きていた時は何かを『忘れた』幸せな日々に…疑問を持っていた。


幸せを感じるたびに、これで良いのか?何か忘れていないか?と考えていた。


「約束を果たせて好かった」


こころからそう思う…


美女にされた以外は…



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