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雑記帳  作者: 風花ふゆ
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立会出産

 出産に立ち会う男性はどれだけいるのだろう。さらっとネットで統計を見たら、およそ半数は立ち会っているらしい。

 ふと思った。妻も夫も立会出産を望んでいる場合はいいとして、片方だけ望んでいる場合はどうするのだろう? やはり、妻の意見のほうが尊重されるのだろうか?

 私は三人出産したけれど、一度も立会出産していない。というか、お互いそれを望んでいなかった。

 夫は、外国人だ。夫の母国では、最近ではそこそこ増えてきているらしいけれど、立会出産という考え方がなかった。出産は、女のイベント。男が立ち入れるものではない。それは少し昔の日本と同じだろう。というわけで、夫は積極的に立会出産を望んでいるわけではなかった。もし私が望めば、まあ、いいけど……くらいのスタンス。正直乗り気ではない。

 一人目の出産のとき、私はどっちでもよかった。不安だから絶対に一緒にいて! という気分でもなかった。どちらかというと、夫が隣にいたところで、私はどうすればいい? こっちは陣痛でそんなこと考えている余裕がないだろう。そんな気がして、そこまで望んでいなかった。もしも夫が望めば、まあ、いいけど……という感じ。

 結果、立ち会わなかった。そしてそれは正解だったと今でも思う。分娩室に入ってから4時間ほどで出産。超安産。もし夫が隣にいたら、思い切りいきみたくてもなんか遠慮しちゃいそうだし、かえって気が散って出産どころではなかったと思う。もっと時間がかかっていたかも。助産師さん、看護師さんはプロだから、安心できたし、気を遣わなくてもよいと思えたのだ。

 私の性格上、集中するときは一点だけに集中したい。あれもこれも気を遣いたくない。出産って、そんなにきれいなものじゃない。血もたくさん出るし、下手したら赤ちゃんじゃなくて便が出ちゃうことだってあるらしい(排便と感覚が似ているので……)。夫の間で、そんな汚いところ見せなくない。こんな命がけのイベントで、変なところで気を遣うのイヤ。

 二人目、三人目も同様に超安産。子どもたちは夫が仕事のない日を選んで産まれてきてくれたので、夫は運よく三人のとき全て病院にはいたけれど立ち会わず、出産後にご対面。

 あの産まれた瞬間の感動は、共有できるものではないと思う。もちろん、周りの人は周りの人の感動があると思うけれど、産んだ母親の感動は、母親だけのもの。これは、共有できない。絶対に。


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