求人広告
掲載日:2017/04/02
彼は元アルバイターたかし。今は立派なニートだ。理由は周囲とうまくなじめずに、何となくバイトを辞めた。それだけだった。それから3年たって、親からも追い出されて、貯金も底をついてきたところだ。いよいよ働かなくては生活ができない。
「僕、中卒なんだよなぁ」
履歴書の空白に続き、立派な学歴や資格を持ち合わせていなかった彼は、ため息をつく。もうじき35歳になる彼は、バイトにすら受かることが困難になった。
そんなところに、
「履歴書不要、即日働けます!!」
という求人広告がスマホの中にあった。彼はそれに賭けた。
「だめなら辞めればいいや」
たかしは、広告の地図を頼りにその店を探した。
「ここか」
店は、こじんまりとした一軒家のように見える。隠れ場的な雰囲気の店なのだろうか。
「あの、求人を見て来たんですけど……」
小さな声で言うと、思いのほか店の中は繁盛していた。中は「焼肉屋」であった。香ばしいにおいが食欲をそそる。たかしは涎が出るのをこらえた。彼は、店長と直接対面して、即決で採用された。
「ねぇお母さん、このお肉美味しいね」
「えぇ。店長がその日に捌いた新鮮なお肉なのだそうよ」
店は店長だけで切り盛りしているらしい。
そんな中、今日も面接に現れた中年男性が一人、採用されたのであった。




