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アイツのことを想って…。

作者: アルシィア

「はぁ…」


今日、何回目の溜息をついたのだろう…。今日は中学の卒業式、新しい門出の前の一つの節目。みんながそれぞれの高校に旅立ち、別れ離れになる。私は、今の友達と別れてしまうのはすごく悲しいけど…それよりも大きな問題にぶち当たっていた…。



「何?溜息なんかついちゃって…あなたも中学卒業をして…少しは寂しく思っちゃったりしてるわけ??」


そう、語りかけてくるのは、私の小学校からの親友の志津香(しずか)。私の数少ない大切なお友達…。可愛い顔して結構、毒舌なんだよね…。心に突き刺さる言葉をズバッズバッと言ってくる。何回…志津香に泣かされてきたことか…。


「ん…そうなんじゃないけど……あ!でも、志津香と別れるのは、す~んごく寂しいんだよ?」


「ありがとう。…でも、その口から発してる言葉に、な~んとなく心がこもってないわね?…心ここに非ずってところかしら?ねぇ~遥奈(はるな)。」


「…何よ?そのニヤけた顔は。」


「ふっふ~ん。知ってるんだからね?あなたが今度、入学する高校を選んだ理由を…ね。」



どっきん!私の心臓が今にも口から飛び出しそうになった…。え!?何で??志津香には、一言も言ってなかったのに…。って言うかここにいる誰にも話していない…バレるはずがない!


「なっ何を言っているの?そっそんなの別に…理由なんて…無いんだからね!」


「ふ~ん。その割にさ…何、1人で焦っているの?あたしはまだ何も言っていないんだけど??」



はっ!…そうだった…。志津香は私が選んだ高校の理由と言うのを、一言も喋っていない…。これって、墓穴を掘ったって事なのかな??それに気づくと、一気に恥ずかしくなってきて…顔が真っ赤になる。ダメだ!このままだと…私が志津香の罠に、まんまと嵌められたことになってしまう!…冷静にならなくちゃ!

…あ!そうだ!!帰りにコンビニへ寄っていこう~♪買おうと思いつつ、高くて手が出せなかった…あの窯出しプリンの新作を今日は買って帰ろう!!


「ねぇ~志津香?今日の帰りにコンビニ寄っていかない??ついにあのプリンを買うことにしたよ!」


「はいはい…。そう言いながら…あなたはいつも買わないわよね?…プリンの話は後でもいいから…そ・れ・で、どうなのよ?顔を真っ赤にして…あたしから言い逃れるとは思うなよ??」


志津香がそう言いながら、私に問い詰めてくる…。むーダメだ…志津香に小手先の技が通用するわけがなかった…。これは真実を言わないと…とても帰してくれそうにないパターンだよ…。

もう中学卒業だし、志津香になら喋っても良いかな?私の胸の内を聞いてほしい…ずっと、心に隠してきた…この『想い』を。



「分かったよ…私の負けよ。…志津香に聞いてほしい事があるの…でも、ここだと言いずらくて…。」


「…分かったわ。今はこれで勘弁してあげる、帰りには…しっかりと聞かせてもらうからね!」


「うん、ありがとう。」


「お礼を言われる筋合いなんてないわ。…ホント、相変わらずあなたって、そう言うところは律儀よね?良い所ではあるんだけど。」


「ねぇ、志津香?私って褒められてるのかな…馬鹿にされてるのかな…どっち??」


「あら、心外だわ!親友のあなたに…そんな事を言われるなんて…。あたしがあなたを馬鹿にするわけないでしょ?」



そう言いながら…顔はニヤニヤしてるんですけど…聞いた私が悪かったですよ!…でも、心の中のモヤモヤが吹き飛んだ気がする。やっぱり親友だよね…そういう心遣いがすごく嬉しい。いつも…本当にありがとう!…恥ずかしくて口には出せないけどね。


あっ!私の紹介がまだだったよ!!

私の名前は、藍原 遥奈(あいはら はるな)、ただいま15歳!身長は152cmと少し小柄だけど…スタイルは良くなってきたかな?最近、胸も大きくなってきたようで…男子の目線が気になります…。なんか胸ばかり見られている気がする!自信過剰じゃないよ!?

現在は中学3年生なんだけど…今日は、その中学校の卒業式。来月からは高校生として、この町を離れて…私の生まれ故郷である街の高校に通うことになっているんだけど…私はその事で今、すごく悩んでいる…。自分が決めたことなのに…今更ながら悩んでいる…。


私の隣にいる、美少女の名前は、江藤 志津香(えとう しずか)。私よりも身長が高く160cmで、スタイルも良くて、すごく美人なんだけど…とにかく口が悪い!吐けば毒舌!!本人は悪気がないみたいだから余計に悪いよね!?本人は知らず知らずに人を傷つけていることにまったく気付いていない…。なんで私、この子と仲良くなったんだろう…不思議だよ!

でも、志津香とは…小学校低学年に、この町に引っ越してきてから、すぐに仲良くなったんだよね。家が近所だったこともあったし、割と考え方が似てたのかもしれない。そんな私たちも…違う高校を受験して受かり離れ離れになってしまう。志津香は地元の高校へ進み、私は生まれ故郷の高校を選んだ。小学校からの付き合いで…もう8年ぐらいになっちゃうのかな?そう思うとすごく寂しい…。



私が何も反応を示さなくて悲しい顔をしてたのか、志津香が私の右腕に腕を回してきて…。


「…あたしも寂しいよ。長年、あなたの顔を見てきたんだからね?何も思わない訳がないじゃない。」


「…うん。色々と思い出しちゃって…。」


「バカ!まだ早いわよ!!泣きそうになっちゃったじゃない…。」


「あっ!…ごめんね。」


「もう!いいわよ。さぁ卒業式よ?体育館に移動しましょう。」


「うん、そうだね。」


私は泣きそうな想いを胸の中に隠して…志津香とともに体育館に向かった。



私たちの中学の卒業式が、あっさりと終ってしまった…。私は絶対に泣くと思っていたのに…意外と冷静でした。志津香たちと別れるのは悲しいはずなのに…それ以上に、大きな感情に捕らわれているようで…それどころじゃない…。

周りでは、お互いの高校が離れ離れになり…悲しむ女子たち、高校入学までの間…休日が楽しみで仕方がない男子たち。それぞれの思いが溢れかえっている…。私はその雰囲気に弾かれる様に、クラスメートたちの輪から離れていく…うん、今は1人になりたい気分。


このまま帰ってしまおうか?そんな気分になりそうだったけど…志津香との約束もあるので、そういう訳にも行かず、いつの間にかはぐれてしまった志津香を探す。そんな時に、誰かが私の側までやってきて…。


「あの…藍原!ちょっと時間、良いか?」


「え!?あっ…垣内くん?…うん、大丈夫だよ。」


「良かった…断られなくて。2人で話をしたいから、俺について来てくれないか?」


「え!?いっ良いけど…。」



私に話しかけてきたのは、クラスメートの垣内 伸治(かきうち しんじ)くん。スポーツ万能で、野球部の主将を務めていたほどのスポーツマン。普段は真面目なのに、ユニークもあって、席も隣同士もあったから、よく話したりもしていた。

そんな彼が真面目な顔して、私と2人きりで話!?とか…まっまさか!告白…とかじゃないよね??私に限ってそんなことはない…私よりも志津香の方だと思う……。あの子、可愛いから…よく志津香に告白するのを私から伝えてほしいって、頼まれることが多かった。

…今日、中学卒業だから、思い切って告白するのかも!?…うん、嫌いじゃないよ、そう言うの!私の出来る事なら手伝ってあげたいし!!

私が、この町で出来る最後の手助けとして…やり遂げたい!と心に誓ったのでした。



垣内くんの後ろをついて、少し歩いて…よくある体育館の裏側にやってきた…。なんだろうね?2人きりになれる場所の定番と言えるのかな?ここは。そんな冗談を言えるぐらいに余裕があって、何でも来い!って感じで思っていた。

一方、垣内くんはと言うと…歩きだしてからずっと無言で、何も話しかけてこなかった。いつもの明るい彼とは思えないほどの状態で、なんだか雰囲気も違っていた。

そんな垣内くんが突然立ち止まり、こちらを振り向く。…すごく真剣な顔をして、私の方を見ている。こんな真剣な彼の顔を見たのは初めてだよ…私もふざけてないで真剣な眼差しで彼を見る…。


「あの…さ、俺の話を…聞いて欲しいんだ。」


「…うん。」


(頑張れ!垣内くんー!!私はちゃんと聞くよ!志津香にきっちりと伝えるからねー!!)


つい私も力が入って、無意識に胸の前で両手をグーにしてしまっている!私は逃げないから…勇気を振り絞って!!さぁもうひと声だよー!!



「…俺、ずっと昔から…好きだったんだ。この中学に来て…その、一目見た時から…。」


(うんうん!そんな前から気になってたんだね!!一途な想いは、とっても素敵だよ~♪私、すごく応援しちゃうんだから~♪)


「同じクラスになって…席が隣に来た時は…心臓が飛び出す思いだったよ…。」


(うんうん!クラスも同じで、席も隣同士だったよね~♪……あれっ!?)


「俺…嬉しくてさ!その夜は、とても眠れなくて…でも、明日が楽しみで…いっぱい話をしたいと思ったんだ!」


(えっ!?あれ??……これって…。)


「話しかけたら…すごく話が合って、俺、嬉しくてさ!ずっと君の事を見ていたんだ。…でも、友達関係が楽しくて、心地良くて…いつの間にか、3年生になって…卒業を迎えてしまって…。」


(えええ!?ちょっちょっと待って!……この話…志津香じゃ…ない??)


「…君は遠くの高校に行ってしまう…もう会えなくなる…そう思ったら、居ても立ってもいられなくなって!…だから、後悔したくない!!」


(うそー!うそうそうそ!!…なんで私なの?志津香じゃないの??)



「もう一度…言うよ!ずっと前から…君が、藍原の事が好きでしたー!!」


「えっ!?わっ私??えええー!?志津香じゃないの??」


「江藤じゃないよ…藍原なんだ、俺が好きになったのは。」


「あれ!?なっなんで??ふぇ!?意味が分かんない??どっどうして??」


まさか…私が告白されるなんて!?突然の事で頭が真っ白になる。てっきり志津香の事だと思っていたから、そんな心構えなんて…持っていないよー!…どうしよう?どうしたら良いの??どう返事したらいいか分からないよー!!


「…いきなりこんな事を言われても…あれ…だよな……ごめんな、藍原。」


「そっそんな事、ないよ!…いきなりだったから…ビックリしただけで!!…あの、嫌じゃ…なかったよ。」


「え!?そっそれじゃー!!」



ダメ…私は、ダメなの…。私は…みんなに隠していることがある。垣内くんの想いを…私は受け止める訳にはいかない!…それに、私もずっと昔から好きな人がいる…。何年も…何年も、ずっと片思いの相手が……だから、私は…。


「…ごめんなさい。」


「…え!?…どうして…。」


「……ごめん…なさい…。」


涙が止まらない…心が痛い…。私なんかに…好意を持ってくれるなんて……。でも、その想いに…私は…答えてあげられない…。ごめん…ごめんね、垣内くん。それから私はしばらく泣いていて…その間、垣内くんが私が落ち着くのを待ってくれていて…。



「…藍原、ホントごめんな。…でも、俺の話を聞いてくれて…ありがとう。」


「私こそ…ごめんね。急に泣いたりしちゃって…。それと、私こそ…ありがとうです。」


「え!?何で俺がお礼を言われるんだ?藍原を泣かしてしまったのに??」


「垣内くんに…勇気をもらったから……だから、ありがとうなの。」


朝は、溜息だけしか出なかったのに…垣内くんのおかげで、私は前に進めるようになったよ!本当にありがとう…。



「…そうか。…藍原、向こうの高校では頑張れよ?俺も頑張るからさ!」


「うん!私、頑張るよ!!垣内くんも…頑張ってね?」


「じゃあ、俺はこれで…みんなの所に戻るよ。またなー!藍原!!」


「…うん、またね、垣内くん。」


そう言うと、垣内くんは笑顔で私に手を振りながら、走り去ってしまった…。私はその姿が見えなくなるまで、手を振り続けた…。




垣内くんが去った後、私の頭の中が急に空っぽになってしまって…その場に座り込んで色々と考えていた…。私がこの町に引っ越してきて、はや8年…色んな事があったな~。まさか、最後に私が告白されるなんて…思ってもみなかった…。引越しをする前の…私では到底、考えられない事だよ…。

そんなことを考えていると、近づいてくる足音に気付かず…いつの間にか志津香が来ていて…。


「こんなところにいたのね?探したわよ。」


「あ…志津香。」


「聞いたわよ?垣内くんと2人でここに来たんだってね。…告白でもされたの??」


「…うん、された。」


私がそう答えると…志津香が私の横に来て…同じように座り込んで。



「…そっか。…それで、ここにいるって事は…断ったんだね?」


「…うん。最初は、てっきり…志津香に告白するんだと…思ってた。…それなのに…私にだったんだよ?垣内くん、中学入ってからずっと…私の事を気にかけてくれてたんだって…そんなこと知らなくて…でも、その気持ちに答えられなくて……。」


「…うんうん。」


「私…バカだよね…。垣内くん、良い人だし嫌いじゃないんだよ?…好き?って言われたら…今はまだはっきりしないけど…もしかしたら好きになっていくかも…。でも…でも、私…好きな人がいるの。ずっと片思い…。」


「…そっか。ようやくあなたの気持ちが見えてきたわ。…その場所に戻るんだね?」


「…うん、私の原点な場所に…。私の中で時間が止まっているの…動き始めるためにも、そこから始めないと…何も進まない。…だから断ったの、こんな気持ちで付き合うなんて…出来ないよ。」


垣内くんには、悪い事をしたと思う…。でも、こんな気持ちで…こんな想いで他の人と付き合う事なんて出来ない!自分に嘘をつきたくない!!自分が悩み決めたことなんだから…もう迷わない!まっすぐ歩いて行こう…この想いを信じて。



「ねぇ、志津香…。私の話を聞いてくれる?」


「もちろんよ、遥奈。あたしたちは親友よ?どんな話でも…あたしはあなたを応援するわ。」


「…ありがとう、志津香。あなたは私の…大切な親友だよ!…だから、私の秘密をばらすね。」


どこから話をしよう…翔太の話はもちろん…私が、この町に来た理由を言わないとね…話が始まらない。そういえば…私が行く高校の事を知ってたようだけど…どこまで知っているんだろう?少し聞いてみることにした。


「っとその前に…。志津香は、どこまで知っているの?私の事を…。そもそも誰から聞いたの?」


「うふふ…ずばり!楓ちゃんから、ある程度は聞いたわよ?翔太くんの事も…ね。」



もう!あの子は…。2つ下の私の妹…藍原 楓(あいはら かえで)。同じ中学にいたんだった…しかも志津香と同じ美術部だったことを今更、思い知らされる…。あの子はどこまで志津香に喋っているの!?今夜、問い詰めないと!!

それと名前の出てきた翔太は…私の想い人、井河 翔太(いかわ しょうた)。私の生まれ故郷の幼馴染…。未だに連絡を取っていて…私の事を親友と思ってくれている。同じ高校に行けることも言ってあるし、ようやく会えるんだけど……私の事情はそう上手くはいかない…。


「…楓から、翔太と幼馴染って事と…私がずっと片思いしているってことは…聞いてるって事かな?」


「そうね、軽く聞いただけだからそれ以上は知らないわよ?翔太くんと会うために同じ高校を選んだぐらいしか…ね!」


そう言いながら、ニヤついている志津香が憎い!良いネタにされることは間違いないわ!!…でも、学校は終わりだから、もう良いのかな?弄られることもなくなる訳だし…。そんな複雑な思いを考えていると…志津香は少し難しい顔をしながら…。



「でも、何か引っかかるのよね…。何で遥奈は、翔太くんと離れなくちゃならなかったの?両親の仕事の都合とか??」


「うん、普通はそう思うよね…。でも…私の所為なんだ、この町に引っ越すことになったのは…。」


「えっ!?どういう事??意味が分からないんだけど。」


「この町って、お母さんの生まれ故郷って言うのは前に言ったよね?お母さんの両親、おじいちゃんとおばあちゃんが住んでる家に…みんなで引っ越して来たの。」


「それは、前にも聞いたから知っているけど…何で遥奈の所為なの?」


ここからは誰にも言えなかった…私の秘密。…これを聞いて、志津香は引いてしまわないか…すごく怖い…けど、これを言わないと何も始まらない。うん、これまでの志津香との絆を信じて…全てを明かそう!


「私がこれから言うことは…すべて真実なの…それだけは頭に入れておいてね?」


「全く見当がつかないけど…良いわ、話を続けて。」



私は大きく頷いて…私の秘密の部分を話し出した。私がこの町に来る前は、『男の子』だったこと。何が原因なのか?病気なのか…突然変異なのか…私にもはっきりとした原因は分からないけど…でも、その時に私が心から願った『願い』があった……それは。


『好きな人の為に…女の子になりたい!』っと。


でも、その当時の私は小学生になったばかり…。いきなり『女の子』になって…気持ちがついてこなくて、どうすることも出来ず…家に引きこもってしまった。そんな私を見て…両親が引っ越ししようっとなった事。両親や妹、母方の両親しか知らない…私の大きな秘密。


その話をまるで夢物語のような感じで聞いていた志津香が、そっと口を開く…。


「ふぅ~、まるで夢のようなお話よね…。人間の性別が突然…変わるなんて。」


「…うん、私にもさっぱり分からなかったよ。寝て、次の日に起きたら…『女の子』になってたんだもん。…実はお母さんのお友達のお医者さんにも相談したんだけどね…はっきりした原因が分からないみたいなの。…私の体は、完全に女の子の体になっているみたいで、生理も来たしね…。」


「一緒にお風呂も入った事もあるから…どこから見ても遥奈の体は、女の子だったもの…そんなこと急に言われて…信じろ!って言われても…中々信じられないわ。」


全くその通りであって、この町に来てから…私が『男の子』だったことを証明するものが一切無いわけで…だから家族内で、この内容は誰にも言わない!って事で解決してた事だったんだけど…。困ったな~これ以上…志津香に話すことが無い…。余計に混乱を招いただけになっちゃったな…どうしよう。私が急に黙り込んで、困った顔をしていると…。



「うん、急な事ですごくビックリしたけど……あたしは…遥奈を信じるよ。」


「…志津香。」


「あたしにとって…遥奈が男だろうと女だろうと関係ないよ。遥奈の事が好きで…親友だもん、せめてあたしぐらいが信じてあげないと…ね!」


「…ありがとう。」


それだけで十分だった…。『女の子』になってからもう8年…それが私の生活になっちゃったから、忘れかけてたけど…男の子だった7年、女の子としてで生きてきた8年は、嘘じゃない!どちらも遥人であり…遥奈でもあるのだから…。



「あっ!男の時の名前はさすがに…遥奈じゃなかったんでしょ?名前は何だったの??」


「…藍原 遥人(あいはら はると)だよ。『はる』は今の名前と同じ、遥で…『と』は人って書いて…それで遥人。」


「ふ~ん、遥人くんか~。男の子のままだったらさー遥奈と会うことは無かったんだよね?」


「うん…多分ね。私…初めて来たもん、お母さんの故郷は。」


「じゃあ、良かったよね!あたしと出会えたんだから。」


ホント…志津香には敵わないな~。そんな事を…そんな素敵な笑顔で言うんだもん…私の悩みなんて、小さいものなんだ…っと事を思い知らされる。


「ありがとう…志津香。」


「何でお礼を言われるのかは知らないけど…素直に受け取っておくわ!貸しとして付けておくから。」


「えー何それ!?酷いよー!」


そう言って2人で笑い合った…。いつの間にか私は笑顔になっていた…志津香のおかげだよ。最後の最後まで、私に力をくれる…。志津香に会えてよかった…翔太と離れ離れになっちゃったけど、この町に来て、本当に良かったよ。今晩、翔太と話をしよう…私の自慢の親友の話を…嫉妬するぐらいにさせてやろう。



こうして、私の小学・中学時代は終わりを迎えた…。これから始まる高校生活に…不安は多い。でも、この町で培ってきたみんなとの絆が…私を強くしてくれた!今まで目を背けてきた…あの頃に戻り、再び時を刻むために、私は歩き始める。待っててね!翔太ー!!

今回、短編として書いてみました…いかがだったでしょうか?


相変わらず纏めるのが下手で…ダラダラと書いてしまいました…。TSFの要素がほとんどなかったのですが…私が妄想しているTSFストーリーのプロローグから第1話の間のサイドストーリーを書いた感じです…第0.5話みたいな?…すこし実験みたいな感覚で書いてしまいました。


活動報告にも書くつもりですが…『ボクをお嫁さんにして…』を書き終えてから、どうもスランプ続きで小説がうまく書けなくなりました…。今回はリハビリと言うか…気分転換と言うか…そんな気持ちで書きました…。よろしかったら感想と言うよりも…ご指摘やアドバイスを頂けたら、すごく嬉しいです!うまく書けないときや行き詰ったときは、皆様はどうしているんでしょうか?すごく気になります!!


この機会に…何とかスランプを脱出して、『ボクをお嫁さんにして…』の番外編や新作をかけたらいいな~と考えています。もうすぐ年末です!色々とやっておきたいですね!!



最後に…長々と色んな事を書いてしまいましたが、ここまで読んでいただき、誠にありがとうございました!


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― 新着の感想 ―
[一言] すごく純愛な感じがいいと思いました。 こういう感じって好きです。
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