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取り調べ
取り押さえた後の紡久は抵抗することなく、警察署に向かって取り調べを受けた。
取り調べでは、紡久はありのままを証言した。
先輩がガラの悪い男達に絡まれ、助けに入ったが男達に殴られ、紡久が警察に通報して男達を追い払ったのに先輩に暴言を吐かれカッとなって殴ったと。
事実をありのまま証言したが、警察官から嘘つき呼ばわりされた。
「それ本当ですか?」
「被害者の方はあなたを助けたらあなただけがいきなり殴ってきたと・・・・言っていますが」
冷ややかな目で紡久を見ている警察官が作り笑顔で言った。
「え? いや、なに言っているんですか?」
「さっきも言ったじゃないですか。殴ったのは事実ですけど、先輩がガラの悪い男達に殴られていました」
「先輩が言っているのは嘘です」
「いちゃもんつけられたのは先輩で、助けたのは私です!」
先輩は警察官の取り調べに嘘の証言をした。
ガラの悪い男達に絡まれたのは紡久で、男達には、先輩自身は殴られてないと。
先輩をボコボコに、重傷なるまで殴ったのは、紡久だと証言した。