理不尽
「先輩・・・・」
紡久が気を失ってからも紡久は殴られたようで、体中が痛い。
「もしもし警察ですか・・・・ 助けてください!」
紡久は倒れながら携帯電話を手に必死に叫んだ。
「チッ! こいつ警察に電話しやがった!」
先輩をボコボコにしていた男達はこの場から何もなかったかのように離れていった。
紡久は体の痛みに耐え、ゆっくり起き上がり、
先輩に近づいた。
「大丈夫ですか・・・先輩?」
先輩はうつ伏せに倒れていたのを紡久の問いかけを聞いて、仰向けになり、ぼそりと呟いた。
「大丈夫な訳ないだろ・・・・」
先輩はゆっくり上半身を起こし、顔についた血をハンカチで拭っている。
「すみません大丈夫な訳ないですよね。びょ、病院いきますか?」
紡久自身も十分重傷だが、先輩を気遣った。
「病院行くに決まっているだろバカ」
先輩は紡久に強く当たり始めた。
「今電話します・・・・」
紡久理不尽な八つ当たりにも耐え、携帯電話取り出し、病院に電話しようとしたが、殴られすぎて握力がなく、携帯電話を落とした。
「あっ・・・」
携帯電話を不意に落とした衝撃で故障したのか、元々充電の残量がなかったのか定かではない紡久の携帯電話は電源が入らなくなった。
「あれ? あれ?」
紡久が痛みに耐え、携帯電話の復旧に奮闘していると先輩の心無い言葉が引き立った。