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誘惑
「まあ同じ悪人同士、兄弟仲良くやろうぜ」
「お前にパソコンの知識、種まいといてよかった」
紡久が悪に落ちたことを悲しむことなく歓迎し、もっと深い闇へと招いた。
「紡久お前、俺と一緒に働け」
「今ならお前を一日十万で雇う。それに副社長にしてやる」
霧人は紡久のパソコンのスキルアップを見越していたのか、紡久を利用することにした。
「副社長? バカ言え、従業員も誰もいねぇーじゃねぇか」
「従業員? みんな出払っている」
「まあ従業員というか・・・・・そこら辺はおいおい」
「おいおいってなんだよ」
「そもそもあのサイトなんの為に作ったんだ」
「あーそれもおいおい」
「なんだよそれ!」
霧人は仕事には勧誘するが、今説明するのが面倒だから詳細ははぐらかした。
「ふざけんな。でもまあ・・・・働いてやってもいいぞ」
紡久は断ろうと思ったが、一日十万はおいしい。
今のカツカツ生活から打破できる誘惑に負けた紡久は霧人と一緒に働くことにした。




