7/48
6話
「……」
薄い茶色のふわふわとした髪をサイドに結った少女が、城の前にいた。
「……あー……」
ため息のように、吐き出して、少女は進む。
「何者だっ!」
少女の進行を止めるため、門番たちは誰何を投げかける。
そこでようやく、城しか視界に入れていなかった少女は、その白色の瞳を門番たちに向けた。
「……だれ、だって……?」
ぴくり、と眉を寄せる。
「なにもできていない。なにもできていないっ!!」
そう叫ぶが早いか、少女はどこからともなく出した剣を門番たちへと向ける。
「なっていないっ!!!」