六番
この展開は久々だな。
「……すぅ…」
俺は今、桃と蒼に挟まれている。
桃はパンツだけで、蒼は全裸だ。
ここまではいつも通りなんだが。
ここに何故鈴が来る!?しかも俺の上に!桃、蒼でも瀕死なのにトドメか!
「…紅君…。」
鈴の寝言か、てか夢の中でも俺の事?
「く、苦しい…。」
鈴め、何故に俺の上に、しかも俯せに寝ているし。 むにゅ〜ん
うぉ!鈴の胸が押しつけられて形が変わってるし、柔らかくて気持ち良い、じゃねー!今俺の理性は限界に近い!
どうする!俺!
鈴を退したら桃か蒼の上に落とす事になる。
俺はどうしたら良いんだ?
コンコン!
…こんな時に誰だ?
「入るよ、紅。」
声が聞こえ、入って来たのは唯一の友である涼だった。
「凄く良い寝床だね、紅。」
「どこが。」
「まぁ、それは置いといてだね、紅に話があるんだ。」
俺は起き上がり、鈴を自分が寝ていた所に寝かせて、俺は生還を果たした。
「なんだ?急に改まって。」
コイツが真剣に話す時って大抵、やばいんだよな。
「僕と付き合ってくれ。」
「どこへ?」
「じゃなくてぇ。」
何か、俺間違えたか?
「だからぁ、僕の彼氏になってって言ってるんだよ?」
は?どうして?
「理由は……。」
口が開いたまま、涼の表情が固まった。
「どうしたんだ?涼。」
後ろを振り向くと、そこには蒼、桃、鈴の三人が寝ていた時と全く同じ姿で立っていた。
「「「どういう事なのかな?涼?」」」
三人の声がハモった。
「いや、その、これには深い訳があって。」
涼はかなり動揺している。
「私達が寝ている時に告白とはどうゆう事かな?涼。」
蒼がかなり怖い顔してる。
俺はというと、完全に気を失…いかけ…て…ます…。
またまた俺の意識は途切れた。
【涼視点に切替え】
紅が突然倒れてきた。まぁ、こんな光景を拝んだら、健全な男子は大体そうなるよ。
僕が見ても天国だと錯覚させるしね!
(レズめ。)
五月蠅いぞ、変態。
(お前に言われたくは無いぞ、涼。)
とりあえず黙れ、ムカつくから。後助けろ。
(人使い荒いんだよ、貧乳凹凸無し女。)
おいぃ?一回死んでみるか?ハッカ飴で。
(スイマセンごめんなさい冗談です、ハイ。)
分かれば宜しい。
(…チッ、色気無しのくせに…。)
死刑決定。
(ぎゃあぁぁ止めてくれぇー!!)
自業自得だ。さて、現実逃避はこれくらいにしてと、どうしたらいいんだ僕は。
「涼?黙ってないで何とか言いなさい。」
蒼が顔をよせ…、て近い!近すぎるよ!?少し動いただけでキス出来るくらいだよ!?
「説明しろと言われましても。」
何か首筋に刃物押し付けられてるみたいな殺気がするぅぅ!!!
「「「正直に話してくれたら優しく殺るよ?」」」
皆さんハモった上に、やる、が、殺るになってるよね!?
これって僕に対しての死刑宣告ですか!?
嗚呼、僕の人生って短かったなぁ…。
(お似合いだぞ、凹凸無し女。)
お前は後でハッカХ100な。
(地獄耳〜!!!)
「「「良い声で鳴いてね?」」」
目的変わってませんか、皆さん?
いぃぃやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
只今、涼の悲鳴が響いています。
十分後。
「あの、何をしようとしてるんですか?」
普通聞きたくなりますよね?こんな状況に置かれたら誰だって。
「聞きたいの?涼。」
「いえ、聞く気無くなりました。」
「そう?まぁ、聞かない方が良いかもね。」
あのぅ?蒼さん?そう言ったらかなり気になるじゃありませんか?
ちなみに恐怖の方もかなり増えました。
「大丈夫だよ?涼さん。
すぐに何も思い出せなくなりますから。
トラウマにはならないので御心配なさらず。」
桃ちゃん!いつもの桃ちゃんに戻って!?
土下座するからお願い!!
「怖がらしたら駄目だよ、桃ちゃん。」
良かった、鈴ちゃんはまだ正気だ。
「後からジワジワと恐怖を刻み込むんだからね。
折角の楽しみが無くなっちゃうじゃないの。」
うふふじゃないよ!一番狂ってんじゃない!
今更だけど、何故僕が椅子に全裸で縛り付けられているのか、非常に気になります。
「準備出来たよ。」
蒼が死刑の準備が出来たと言ってますね。
「「じゃあ始めましょう。」」
桃ちゃんと鈴ちゃんが嬉しそうだぁねぇ。
「じゃあ、それぞれの道具を取って作戦通りに。」
作戦通りにって、何時したの!?
てか、それは何に使う気なのですか?
僕が知る限りでは、〇〇プ〇イに使う物に、し〇をか〇ち〇うする時にし〇をひ〇く為の〇具だよね。てゆうか僕が知らないのまであるよ。
あっ、あれは痛そうって、待て待て待て!何で僕はこれらを解説してるんだ!?
みんな誤解しないでよね?!
これらに詳しいのは、ただ〇〇にちょっと皆より興味があっただけだよ!?皆もあったよね?
(お前のはただの異常な性欲だろ?)
黙れ、万年発情期のプライドの低い駄犬。
(…お前は何なんだ?)
真実の探求者。
(違うだろ、お前のはただの中年のねっとりとした薄汚れた欲望だろうが。)
今更だけど、あんたっていつも核心に触れるよね。
(図星か?)
…半分はそうだよ。
(久々に負けを認めたか?)
あぁそうだよ!どうせ僕のは汚れた欲望だよ!
(まぁ、自棄になるのは別に良いけどさ。)
冷たいね。
(まだお仕置とやらは始まってもいないみたいだぞ?)
「へ?」
私は現実に引き戻され、衝撃の映像を見た。
「これくらいかな?」
桃ちゃんは何かの液体を量っている。
「もう少し入れても害は無いよ、その薬は。」
蒼は桃ちゃんに助言をし、自分の持っている器具を見て笑っている。
「涼さん?覚悟は良いですか?」
覚悟は良い?て聞かれても良いなんて答える人いないんじゃないですか?
「じゃあ、始めるよ?」
蒼の顔が悪魔に見えましたよ。
そうして、涼の拷問が始まりましたとさ〜。
十分後。
「う…、俺気失ってたのか?」
ギリギリギリ…。
「何の音だ?」
「紅〜!」
「涼!?なんだそれ!?」
「助けて〜!」
「ブッ、はっ、鼻血出た!」
「紅!?」
紅は倒れた。
返事が無い。ただの屍のようだ。
「紅!?しっかりして!!」
この状態がその後六時間続いた。
涼の長い朝が続く。