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戦い・ギルド側

遅くなりました。それではどうぞ

森のとある場所。


少女はふるえていた。


手には中間あたりから折れている剣。もう役に立たないとわかっていても離せばそれが、これから自分が迎えるであろう『死』を認めてしまうことになる。遅かれ早かれそれは確定したことだと頭では理解していても。


「死にたく・・・ないっ。」


もう意識が薄れてきていた。せっかく仲間が命を懸けて自分を逃がしてくれたのに、こんなところで死ぬなんて。


ザッ・・・


ふと、少し前方で誰かの足音がした。少女はゆっくりと顔を上げる。


そこには自分たちの敵、討伐対象がいた。切りつけてくるでもなく魔法を唱えるでもなく、ただそこに立っていた。


少女はその姿をみて気を失った。自分がなぜこうなったかを走馬燈のように思い出しながら・・・。





少女の名前はクルミア。ギルドに所属していて弱冠17にして最年少のギルド員だった。彼女には才能があった。とくに剣に関してはギルドランクAの人間と一対多でも勝てるくらいの実力を持っていた。


そんな彼女は駆け上るようにランクを上げていきSに限りなく近いAランクとなった。この依頼が来たのは、彼女が実家に帰っている間だ、SランクAランクの2チームがA級のモンスターにやられた、という連絡を聞きつけ急いで戻った時だった。


依頼内容は、近頃S級にされた指名手配モンスターの討伐、とあった。


クルミアは当然のごとく依頼を受けることにした。S級となれば自分の家族が犠牲になるかもしれないし、自分には才能がある、と高を括っていた。


作戦当日、援軍である騎士団と一緒に前回のとき返り討ちにあった場所へ移動した。作戦はいたって単純なものだった。


全員複数で固まり扇状に前進。見つけ次第仲間を呼んで包囲し攻撃。


作戦道理、クルミアたちは扇状に広がろうとした。


だがまだ全員が纏まっているところへ黒いなにかが飛んできた。


それはフルフェイスの兜に若干刺々しい金属鎧、手にはドラゴンの紋章が刻まれた盾とロングソードを握っている騎士だった。


余りに突然すぎてそこにいる全員が固まった。クルミアも例外ではなかった。


黒い騎士はゆっくりとまわりを見渡すと剣の切っ先をこちらに向けてきた。そこにはあきらかな殺気が込められていた。


「「はっ!ぜ、全員戦闘配置!」」


我に返ったのはギルド最強のギランと騎士団の団長だった。


その声に全員が我に返りみんな武器を構えた。


クルミアも自身の剣を抜き構えた。


(大丈夫、これだけの戦力差だし私自身もそこそこ強いし。はじめこそ呆気にとられたけど・・・。)


おそらくここにいる全員がそう思ったコトだろう。敵一人に対してこちらは騎士団もあわさって100人はいるのだから。


しかしすぐにそれは間違いだったと思い知らされることになる。


「ギルド班CからFのやつらは後ろに回り込め!」


「我らは魔法の準備だ!急げっ」


ギルド員たちの行動は早かった。あっと言う間に黒騎士を包囲した。


「挟み撃ちだ!」


包囲して安心したのだろう、C班とD班が攻撃命令がくる前に黒騎士を挟撃した。


黒騎士は迫ってくるギルド員を一別しただけで動かなかった。それを諦めと思ったギルドの人間たちは勝利を確信した。


「馬鹿野郎!なにやってんだ!いますぐ引けー!」


(ギランさんはなにを言ってるの?もう勝ったも同然じゃない)


クルミアもほかのギルド員と同様に勝ったと思っていた。だが。


突然黒騎士が消えた。否、正確には移動した。剣を振り抜いた(・・・・・・・)状態で。


「え?」


誰が発したのだろう、だがたしかに困惑した声がその場に響いた。


挟撃していたギルド員は血を吹き出しながらその場に倒れた。


(仲間が、やられた?)


頭が目の前の状況に追いつかない。Aランクという実力者が一太刀で切り伏せられた。たったそれだけのことが、理解できない。


「っ!チクショウ!!よくも!」


他のギルド員のみんなが一斉に飛びかかる。だが黒騎士はさっきと同じように動かない。否、黒騎士は動いていないがその体からなにか黒い霧のようなものが出てきている。


それは一気に飛びかかっていたギルド員達を包み込んだ。


「なんだ、これは?・・・や、やめろおおぉ」


「あぁぁ、うああああぁぁぁ!!」


悪夢だ。


霧に包まれた仲間がその場にうずくまりながら叫び声をあげていた。


「クルミア、おい!しっかりしろ!」


「ひっ・・・。」


ギランさんに声をかけられて悲鳴を上げてしまった。それほどにこの場の空気が恐怖によって支配されている。


「いいか、まだ数人は動ける。そいつ等と一緒に逃げるんだ。」


「で、でもそれじゃあ、ギランさんは・・・。」


すると、ギランさんは逞しい腕を曲げ力こぶを見せながらこう、言ってくれた。


「俺まで逃げたらあそこでわぁわぁ言ってる馬鹿を助けるヤツが、居なくなっちまう。それにおれは負けねぇ。」


ほんの少しだけ安心した。いくらギランさんでも一人であのバケモノに立ち向かうなんて無茶だって思ったけど、いま向けてくれているこの笑顔をみていたらそんな心配は必要ないって思えてきた。


「よし、おめぇら!さっさと逃げな!後ろは任せとけよ!」


ギランさんがあのバケモノに走っていく。そこから先はあまり覚えていない。まだ動ける人たちと逃げていたところ黒騎士に遭遇したことと、仲間が私を身を挺して守ってくれたこと、私の剣が折れ、必死に走ったこと。


それが私の覚えている全てだった。

書きたいことは沢山ある。だけどうまくまとまらない(;。;)

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