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理想のホワイトデー  作者: 月帆
3/4

二人の時間

恋愛要素は低いです。大人の寂しい気持ちを表現したくて書きました。出会いがネット系のため念のためR15禁にしています。

スケートが終わって近くのレストランへ行く。

人ごみの中で、ひーと俺は自然に手を繋いでいた。繋いだ手がひどく温かく感じた。


お金はあらかじめ割り勘分を預かっている。

だから気をつかわずエスコートできる。

そんなにかしこまった店じゃなく、値段も良心的だし正直奢ってもいいぐらいの気持ちになっていたけれど、お互いあとくされなくすごすためには割り勘の方がしっくりくる。

気を使うこともない。

「きれいなお店ね」

ネットで見つけたおしゃれなお店。

美味しそうなごはん。

お互い会うのは初めて

でもよくもわるくも大人な俺たちは

そこそこ楽しく話も弾む


まあ、学生の時みたいな馬鹿騒ぎはできないけれど、静かに二人で酒を飲んで笑い合う。

会話が止まる……

ひーが店の窓の外をみる。

足場やに家路に急ぐ人々の群れ、きらびやかなネオンが輝く街。

「あたしトイレいってくるね」

ひーがたちあがる。

「ちょっと待って」

「えっ」

ヒーの腕をつかむ。

ポケットから小さなプレゼントを出す。思いつきで、コンビニで買ったホワイトデー用に包装されたクッキーを渡した。

「ホワイトデーだから…ありがと」

「なにいってんの」

ひーのはにかんだ笑顔がひどくさみしそうに思えた。

何となく予想していたけれどひーは戻ってはこなかった。

「お連れ様から預かっております。」

ひーが戻ってこないと思っているとウエイターが近づいてきて小さな箱を手渡された。

綺麗に包装されたプレゼントの箱を開ける。

中身は…どこでも売っているチョコレート


一ヶ月遅れのバレンタインだった。


メッセージは

今日、付き合ってくれてありがとう

さようなら


結局名前も知らない他人同士の俺たちが、似たもの同志で思わず笑えた。

ウエイターに一杯酒を追加で頼み、一人で飲んだあと支払いを済ませる。


ウエイターには俺たち二人はどう見えたのだろう。

恋人にみえたのか少し気になった。

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