第7話「給料日の豪遊は1100円」
偉い人
「ということで、来週から消費税を20%にします。皆の資産を浪費することが少なくなるから、結果的に皆の貯金が増えるね! やったね! これで皆の老後の資金2000万円問題も解決だ!」
今日は待ちに待った給料日だ。
俺はこの日だけは贅沢をしてもよい日に設定している。
「いらっしゃい」
好きなラーメン屋さんに行くのである。昔は週に1度行くほど大好きだった。しかし、働き始めてからというもの、お金がなさ過ぎて月に1度しか行けないのだ。
すみません、ラーメンを御願いします。特盛デラックス盛で!
俺は主人に注文をすると、いつものように「あいよ」と声をかけてくれる。
この味はずっと昔から変わらない、俺が昔に戻ることが出来る唯一の時間だ。
「あいよ!」
しばらくして、主人が俺の前にラーメンを配膳してくれた。
俺はラーメンをすする、いつもと変わらない。優しくて、パンチのある醤油とんこつベースのスープは最高だ。
「ご馳走様」
そういって俺はいつものように1100円を店主に渡す。
「お、おきゃくさん。すまねえ、足りないんだ」
俺に店主が話しかけてきた。
「え? ちゃんと1100円を渡しましたよ」
「ああ、だがな。先月告知した通り値上げをしているんだ。お客さんが注文したラーメンは先月は1100円だったが、今は1450円だ。だから、あと350円欲しいんだ」
「ね、値上げだって!」
「仕方がないんだ、増税に電気代、それに謎の制度でこのお金をもらったとしても先月よりも売り上げが下がっているんだ。本当はみんなにもっと俺のラーメンを食べてほしいんだけれど、俺にも生活がある。ごめんな」
「そ、そうだったんですね」
そういって俺は350円を追加で支払うと店から外に出る。
店主の少し悲しそうな顔を思い出す。
1450円か……
昔と違って物価も上がったんだな。
俺はもっと節約しようと思った。
このラーメンを毎月食べれるように。
頑張ろう、頑張ろう。
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