ちいさな3つのながれぼし
「ながれぼしに3回おねがいすると それがかなうんだよ」
そうしんじる人は ながれぼしをみると おねがいをします。
そのことは とおくはなれたばしょにすんでいる
ながれぼしたちもしっていました。
きょうはたくさんのながれぼしが みんなのそらへととんでいく日です。
ながれぼしたちは みんなのおねがいをかなえてあげようとおもっています。
「じゃあ いってきますよ」 1ばんめのながれぼしが しゅっぱつしました。
すると ひとびとのあたまのうえに ひとすじのひかりがよこぎりました。
これをみたひとたちが すぐにおねがいをしました。
きえてしまうまでに3回おねがいができると
そのおねがいごとが のこっているながれぼしたちのところにとどきます。
すこしまっても それがありません。
「1ばんめのながれぼしで 3回おねがいできたひとはいません!」
ながれぼしたちはすこしかなしくなりました。
まだしゅっぱつしていない ながれぼしたちはかんがえました。
「もうすこしながく見られるようにしたらいいんだね」
「でもどうしたらみんなにながく見られるのかな」
そんなはなしをしているあいだに
たくさんのながれぼしたちが しゅっぱつしていました。
「3回おねがいできたひとがいたよ!」
「どんなおねがいかな!?」
とながれぼしたちはよろこんでいます。
『みんなのえがおがふえますように』
そのおねがいをうけたながれぼしは ほかのながれぼしよりも大きくて
よぞらをあかるくするほどひかり ながいじかんをかけてとんでいきました。
「どうやらからだが大きいほうがながくみられるみたいだね」
「ぼくたちはそんなにからだは大きくないよ」
ながれぼしたちは すこしでもながく みてもらいたいのです。
「3つずついっしょにいくっていうのはどうかな?」とだれかがいいました。
「3つずつ?」 みんなは よくわからないというかおをしています。
「3つずつくらいでかたをくんで いっしょにいくんだ。
だれか ぼくといっしょにいってみないか」
「そんなにうまくいくのかな」というこえが上がりましたが
「ぼくはいきます」と とても小さなながれぼしが手をあげました。
「ぼくだけなら すぐきえてしまうから だれかといきたいです」
そういうと ほかの小さなながれぼしたちもおなじように
3つずつのなかまをつくりました。
そして さいしょにこえを上げたながれぼしと とても小さなながれぼしと
うまくいくかわからないといったながれぼしが しゅっぱつします。
まっくらなそらを 1つになったながれぼしたちは
みんなのあたまのうえを ひかりながらすすんでいきます。
「あ、ながれたぞ!」とこえを上がり みんなはすぐにおねがいをいいました。
「3つにわかれた!」
いっしょうけんめいに かたをくんでそらをはしっていたながれぼしは
さいごは ひとつひとつにわかれ きえていきました。
のこっているながれぼしたちのところには 3つのおねがいがとどきました。
これは 小さいながれぼし3つが それぞれながいじかんにわたって
ひとびとのうえをかけぬけたしょうこです。
そしてつぎのとしには、とどいたおねがいごとがふえたそうです。