お辞儀こそ最強の挨拶
日本文化が感染症対策に自然となっていると感じる人も多いだろう。
お辞儀文化は、キス、ハグ、握手さらに会話といった接触を行わない合理的な挨拶だ。中国では食中毒などの対策で加熱調理文化になった。肘や足挨拶を提唱する人もいるが、もしかすると、お辞儀文化が世界の標準になる日が来るかもしれない。
隙間風吹く日本家屋に戻ることはないだろうが、フローリングより畳のほうが菌が残りにくいだろう。紙製の襖や障子、炭をまとった柱。古民家には感染症に強い環境がそろっていたように思える。
医療がいきとどかない時代、病気と闘うために人々は環境を進化させてきた。しかし、薬の発達で環境が退化したのではないだろうか。
進化の方向が変わることによって、それまで進化していたものは退化に向かう。人は時代と共に、体の進化から環境の進化に移り体は退化、そして道具の進化から環境の退化にいたった。さてAIが進化したら、次に退化するのは道具だろう。道具の退化は技術の退化である。人々は調理もできなくなる。火すら起こせなくなるかもしれない。