10 学校帰りのゲームセンターってワクワクしない?
明日からの学園生活について説明が終わる。
先ほどまで説明をしていた竜胆 美波が
「では、今日はこれでお終いです。明日からの学園生活に備えて、帰ってからしっかり準備をするように!皆さん、さようなら。気を付けて帰ってください」という。
「「さようなら」」と生徒たちが揃って返し、生徒たちが徐々に教室を出て下校していく。
『俺も寄り道したいところがあるし早く出るか』と考え立ち上がると、いつの間にか隣に立っていた翔が
「一緒に帰らねぇか」と声を掛けてくる。
『あれ?初日は確か、主人公と下校する筈なんだけどな。主人公とヒロインの一人桃井 秋桜がキスするイベントを俺が防いだ影響か?』と考え、気にするのをやめ
「ああ、いいけど。俺、寄りたい所あんだけどいいか?」と聞くと
「ああ、いいぜ。何処に寄るんだ?」と何処に寄るかを聞かれ、今朝、登校する際に調べ、行くことを決めていた場所「ゲームセンターに行きたいんだ」と伝えると
「ゲームセンターかいいぜ!寄ってこう」と返して来たので、一緒に教室を出て、学園の近くで最も大きなゲームセンターに向けて歩き出す。
学園を出て30分程でゲームセンターに着くと、2人して「「グゥーーッ」」とお腹を鳴らす。
時刻を見ると12時になっている。
「なあ、隣に飲食店あるし先にそっち行かねぇか?」
「そうだな、そうするか」と言って、隣の飲食店に入る。
「ふぅーっ、食ったなぁ!」
「翔、よくあんだけ食べれるな。見ててこっちが苦しくなったぞ」
「いや、男ならあんぐらい食べれねぇとダメだろ!」
「いや、翔の中の男ってどんなんだよ!早く、ゲームセンターに行くぞ」
ゲームセンターに入ると、中はそれなりに賑わっていた。
『クレーンゲームやコインゲームがメインか、音ゲーもあるな、それに体感ゲームも。こりゃあゲームセンターがゲーム業界の覇権を握るわけだ。PCゲームはファミ○ンレベルでコンシューマーゲームはないのに、ゲームセンターにある筐体は地球のレベルと変わらないんだもんな。筐体のレベルも地球より低いものだと思ってたが、嬉しい誤算だな』と分析していると
「おい、中に入ったってのに何もやんねぇのか?」話しかけて来る。
「ああ、悪いなんかやりたいのはあるか」
「とりあえず、あれなんかどうだ?あの銃持ってゾンビ撃つ奴」
「やっぱり、ゲームセンターと言えば体感ゲームだよな」
「体感ゲーム?ああ、あれ体感ゲームっていうのか」
「知らないのか?ああゆう体を動かしてプレイするの体感ゲームっていうんだよな?」語尾に思わず疑問符がついてしまう『もしかして、この世界では違う呼び方をするのか』と考えていると
「ああ、あんま、こういう所には来ないんだ。多分リオの呼び方であってると思うぜ」と答えが返ってくる。
「そうか、意外だな。翔ってこういう所好きそうだけどな」
「確かにこういう楽しい雰囲気のところは好きだが、ゲームなんか物好きな奴しかやらないイメージだったからな」という彼の言葉に、こういう世界なのだと分かってはいても、思わずむっとしてしまう。
「悪い、言い方が良くなかった。別に悪く言うつもりはないんだ。ゲームって結構マイナーだから、そもそもゲームセンターに人がこんなにいて、楽しい雰囲気だって知らなくてな、少し偏見があったから来ようと思わなかったたかったんだ」と慌てて彼が言い直すのを見て
「いや、大丈夫だ。悪く言うつもりがなかったのは分かってる。よし、今日は楽しもうぜ」と言い、ゾンビシューティングという名前通りの体感ゲーム筐体の方に向かうと安心したのか、「そうだな」と翔は笑って返し、俺について来る。
そうして、ゲームを始めた俺たちはその後、ゲームセンターにある全ての筐体をプレイし終えるまで遊び続けた。




