1 プロローグ
俺は今とても困惑している。
夢であった大手ゲーム会社スターダスに就職するために努力を続け、青春の全てを擲ち、とうとう、就職を決め、今日はその大手ゲーム会社の入社式だというのに、目を覚ますと見覚えのない場所にいるのである。
「ここ、どこだよ……。それに今何時だ?」と一人ぼやき、辺りを見回す。部屋の中は随分と質素で生活に必要な物があるだけだ。
「友也の部屋じゃねえよな……」と灰色の青春を過ごしてきた俺(百瀬 太郎)の唯一の友人の名をこぼす。
「昨日、友也が「俺たちの夢が遂に叶うんだ、今日は飲むぞ!」って押しかけて来て、一緒に酒飲みながら新作のエロゲ「桃色コスモス」をやった所までは覚えてるんだけどな」
そうして、昨日の記憶を呼び起こそうとしているとブゥゥーと携帯のバイブレーションが聞こえてくる。
「ん。電話か?」と音の鳴る方へ手を伸ばす。
「おっ。あった。っておれのじゃないな。この部屋に住んでる人のか?」と言いながら、背面が青い携帯の画面を良く見る。画面には時間が小さく映されていた。
「10時10分~~!!もう入社式始まってるぅぅーー。」と、気づくと叫んでしまっていた。
すると、壁からドンッという音と共に「うるせぇぞ!”リオ”」と怒声が飛んで来た。
『はて?この部屋に住んでる人はリオというのか?』と暢気に考えていたが、先ほど見た時間を思い出し「すみませんリオさん。少しの間借ります」と先ほど知ったばかりの名前を呼び、青い携帯を握り、身だしなみも気にせず外へ駆け出して行った。
外に出るとそこは大分、都会的であった。
「良かった都心からはそんなに離れてなさそうだな。とりあえず携帯からマップを開いてと…」
そうして携帯を開こうとすると、パスワードなどはなくあっさりと開く。
最悪この携帯を使えないことも考えていただけに肩透かしをくらい『俺としては良かったけどこのリオという人も不用心だな』
なんて考えながら地図のアプリアイコンを押しマップを開く。
「あれ、変だな。関東にこんな地名の場所あったか?」
マップには現在地が、昨日の夜、友也とプレイしていたエロゲ「桃色コスモス」の舞台であるコスモス学園が位置する ”コスモスランド” と、そう記されていた。
私は今回が初めての投稿になります。何かとミスも多いと思います。言葉が変、わかりずらいなどのご指摘いただけるとありがたいです。
よろしくお願いします。