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ライアン様が部屋から出て行った。
カイルさんと2人でホッとする。
「ごめんなさい。勝手に話て。」
「いや、大丈夫だ。それに共同事業だろう。まぁ、兄上が判断する事だから気にしなくていいぞ。だがなぁ、アレで可愛い物が好きだとは・・・」
「仕方ないですよ。本人の趣味ですし・・」
「そうだな。それよりアキラは名前を呼ぶ練習しないとな。」
ニヤリと笑ってこちらを見る。
「ううぅ。ガンバリマス。」
「早速呼んでくれないか?」
「ううぅ。・・ィルさん。」
「聞こえない。」
「もうっ!カイルさんの意地悪!」
真っ赤であろう顔を手で隠しながらカイルさんに背中を向ける。
「ははっ!ごめんごめん。アキラが可愛くてつい。」
言いながら後ろからギュウッとされる。
余計に恥ずかしいよ。顔の熱が引かないよー。
「あの、戻らなくてもいいんですか?」
「そうだな。嫌な思いさせるけど戻って兄上に言って引っ込むか。」
「あなたの・・・カ、カイルさんの方が嫌な思いしてるでしょう?今までもあんな事言われてたんでしょう?」
「慣れてるから気にしないで。じゃあ行こうか。」
アキラを抱き上げて歩きだす。
「もう、慣れてるなんて・・・あんな悪口気にしちゃダメですよ?カ、カイルさんは小さくないです。私より大きくて頼りになる大切な人なんだから。そんな事を言う人の方が器が小さいの!」
「ありがとうアキラ。」
嬉しそうに笑った顔があまりにも綺麗で目を奪われる。
見惚れてボーっとしてる間に会場についていて、気がつくとレオンさんに引き上げる事とライアン様が話たいと言っていた事を伝えているところだった。
周りを見ると穏やかな表情で見てる人、生温い目で見る人、馬鹿にした目で見る人・・・
名前はわからないけど顔を覚えておく。全員は無理だけど・・・
そして部屋に戻る。
ソファに下ろして貰ってホッとする。
カイルさんは着替えてくるそうだから私もエリーさんに手伝って貰って着替える。
やっぱりドレスは慣れないなぁ。
カイルさんが着替えてきたのでエリーさんに軽食を頼む。
もちろんカイルさんの分もね。
エリーさんが持ってきてくれた軽食を食べて食後のお茶を飲みながら
「アキラ、アイツが言ってた野菜の料理は作れるのか?」
「うーん。多分・・・野菜を見ないとわからないし、ゼンゾウさん?がどんな料理を作っていたかですよねー。それよりもほとんどずっとあの、私を抱えて歩いたから疲れてないですか?」
「大丈夫だよ。これでも鍛えているからね。」
「ん。早く家に帰ってゆっくりしたいなぁ。」
「そうだなぁ。明日兄上に聞いてから決めようか。病み上がりなのに無理させて悪かった。今日はゆっくり寝ろよ?おやすみアキラ。」
「ありがとう。大丈夫だよ。あなた・・・カイルさんもお疲れ様。早目に休んでね?おやすみなさい。」
カイルさんはベッドまで運んでくれて部屋を出て行く。
カイルさんの背中を見送ると同時に夢の世界に旅立っていた。




