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そぉっと人形を取り出す。
「これはアキラか?そっちはカイルだな?」
「まぁ可愛い!」
「凄い!手作りなのね?私も欲しいわ!」
「俺とアキラ・・・」
「あなたに贈りたかったの。会えなくても人形が代わりになるかな、寂しさがまぎれるかなって思って。ご両親の前で渡せば会話も弾むかと思ってたんだけど・・・だから夜会にくる人達を迎えるウェルカム人形にしたらどうかなって。話題にできるから絡んでくる人も少なくなるんじゃないかなぁと思って。」
「ありがとうアキラ。」
手を握って笑顔を見せてくれる。
「そう・・だな。話題にできるな。アキラ飾らせてもらうよ。オスカー明日飾ってくれ。」
「かしこまりました。お預かりいたしますね。それとアキラ様、この後お時間があるようでしたらダンが相談したい事があると言ってますがどうされますか?」
「ダンさんが私に?」
カイルさんと顔を見合わせて首をひねる。
「なんだろう?」
「行ってみればわかるだろう。オスカー厨房でいいんだろう?」
カイルさんが私を抱き上げて移動する。
「ダン、アキラを連れてきたぞ!」
「カイル様アキラ様、わざわざお越しくださりありがとうございます。どうぞこちらへお座りください。」
厨房の奥の部屋に案内されます。
「私に何か?」
「先程一緒に作らせて頂いたプリン。とても美味しかったです。皆も驚いていましたが好評でした。それとアキラ様が先ほど作られた調味料なんですが、あれを使った料理を教えていただけたらと思いまして。野菜につけて食べるのはわかったので温かい野菜につけて食べるのは考えました。ですが見た目が・・・試作するにしても明日の夜会まで時間が足りないのです。料理人としては恥ずべき事ですが、教えて下さい。お願いします。」
ガバッと頭を下げる。
ふぇっ⁈
慌てて
「頭を上げて下さい。私が作るのは家庭料理なんです。華やかな料理は知らないんですよ。だからお役に立てなくて申し訳ないです。」
「家庭料理で構いません。教えて下さい。お願いします。」
カイルさんが
「アキラ、俺もアキラの料理が食べたいから作ってくれないか?」
カイルさんをチラッと見てため息をつく。
「・・ずるい。あなたに言われたら作らないなんて言えないじゃない。」
むぅーとふくれる。
「ハハ、可愛いなぁ。」
ギュウギュウしてくる。
もう。
仕方ないから食材を用意してもらって作ります。
ポテトサラダでいいよね?
じゃがいも、にんじん、ハム。今は季節じゃないからキュウリがない。
混ぜたポテサラの上にパセリを少し散らして緑をたして出来上がり。
「こんな感じですけど・・・」
「おおぉ、綺麗ですね。」
「食べていいか?」
2人共スプーンで食べる。
「美味い!やっぱりアキラの料理は最高だ。美味いよ。」
「美味しいですね。これは見た目を整えればだせますね。」
「それはお任せします。お貴族様仕様の盛り付けとかわからないので・・・」
「ありがとうございます。アキラ様。無理を言って申し訳ありませんでした。時間が出来れば他の者達と料理を考えたいと思います。カイル様もご協力ありがとうございました。」
「家庭料理なんですけどお役に立てたなら良かったです。料理の用意も大変でしょうけど無理しないで下さいね。」
カイルさんに抱っこしてもらって部屋に戻ります。
ふぅー。疲れた。
カイルさんの温もりを感じながらいつのまにか寝てしまった。




