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「何を言っている?レオン?まだ譲る気はない!」
ため息をついて
「仕方ないですね。陛下の勅命書です。エリオット・チェスターは辺境伯の座を退きレオン・チェスターを新たにチェスター辺境伯とする。また前辺境伯夫妻は北の育成館入る事とする。以上決定事項です。」
北の育成館・・・それは寒く険しい場所にあり貴族としての品位を落とす者や貴族の責任を果たさない者などを再教育する場所。入ると出てくる者はほとんどいないと言われている。
「なぜ私達が北に・・・」
呆然として呟く。
「なぜ?領主と言いながら領地に帰らず領地の事は私に丸投げ。お金だけは要求してくる。領民からの税を何だと思ってるんだよ!陛下には以前から伝えていたので今回勅命が出たんだ。連れて行け!」
騎士達が喚き暴れる2人を拘束し出て行きます。そのまま北の指導館に連れて行くでしょう。
ふぅーー。
「もっと早くどうにかしたかったんだが・・・皆も驚いたと思うが私が当主となる。これからよろしく頼む。」
アリス、フローラ、カイル、オスカーに告げる。
「カイル、アキラはどうした?」
「アキラは熱があったから寝かせてきたよ。エリーに言って医者に見てもらうよう頼んできた。クソッ、血だらけの足で熱があるのに練習させてたなんて・・・」
「どういう事ですの?レオン様説明してくださらない?」
両親が領地に戻らず領地の経営もしないでお金の要求をしてくる。その額が段々と多額になり何に使っているのか調べて散財しているのがわかると陛下に報告をした。同時にお金を渡さないと告げた。それまでの生活が出来なくなってくると何度も要求してくるが断る。そんな時カイルに大切な女性ができた。それを利用してまたお金を引き出そうと要求してきた。アキラが両親の手の者か疑っていた事。違うとわかったが、両親がアキラが稀人だと知ると何をするかわからないので、陛下に直談判し北の育成館行きになった。
「アキラが稀人と告げるか迷ったんだが、カイルと結婚するなら報告しないといけないからな。あの2人がいるとアキラを利用するだろうし、アキラはカイルの親だからと嫌でも我慢するだろう。それは許せないから陛下に告げて勅命が出たんだ。陛下にも稀人だが能力はないだろうと伝えている。無理な事は言わないだろう。」
「そうでしたの・・・どうして言ってくださらなかったの?私は頼りになりませんか?」
「そうではないよ。アリスが大切だからだ。大切な人に心配かけて笑顔を曇らせたくなかったんだ。私のワガママだな。すまないアリス。これからはちゃんと話すよ。領地を良くしていくために協力してくれるかい?」
「もちろんですレオン様。」
「お兄様私達も協力するわよ?」
「ああ、俺達を忘れないでくれよ?」
「そうだな。これからも頼む。それと明後日の夜会はそのまま開催だ。そこで私が当主になった事を発表するよ。2人の事はアキラの体調次第だな。」
「じゃあ俺はアキラのところに行くから。」
部屋を出てアキラのところへ行く。
部屋に残った3人はオスカーにカイルとアキラの事を聞く。
屋敷に着いた翌日から2人は会わせてもらえなくなりアキラは練習、カイルはエリオットに外に連れ出される。アキラは罵声を浴びせられていたと聞き怒りがわく。自分やエリーが声をかけると余計にアキラに当たるので何も言えない。こっそり2人を会わせようと思っても前当主夫妻についている者達が邪魔をし告げ口をする。その為エリーはアキラの担当から外されてしまった。
レオンは前当主について2人の邪魔などをした者達は夜会が終わり次第解雇する事にした。オスカーに新たに雇う人物の選定を任せる。エリーがレオンに報告にくる。
「エリー医者は何と?」
「疲れが溜まって熱が出たのだろうからゆっくり休めば大丈夫だと。それと足が・・・靴擦れやマメが潰れているのに処置されていなかったので酷い状態です。あと私が担当を外されてから食事もパンとスープ以外出されてなかったそうです。今はカイル様が側にいらっしゃるので安心してお休みになられました。」
思ったより酷い状態に空気が重くなる。
「報告ありがとうエリー。戻っていいよ。」
「アキラの体調次第だが夜会には出てもらわないと他が納得しないだろうなぁ。だが歩けるかだな。」
「カイルに抱っこで移動させたらいいのじゃない?足怪我してるのでっていって。」
「そうだなあ。」
「2人に確認した方がよろしいのではなくて?」
「そうだな。明日確認しよう。」




