19
「あちゃー、怒らせちゃったかなー?謝ってるのにー。」
「俺が怒ってる!」
ドゴッ!
兄上の鳩尾辺りに1発いれる。
その場に崩れ落ちた兄に
「兄上、どういうつもりであんな事を・・・」
「ゲホッ!ゴホゴホッ。いってぇー。いや、本当に好きなのか知りたかったんだ。ゲホッ・・お前は彼女の事を好きだとわかるが、彼女は本当にお前の事が好きなのか?」
「どう言う意味だ?」
その場に座って鳩尾の辺りをさすりながら
「アキラは、1回もお前の名前を呼ばなかっただろう?普通恋人なら名前を呼ぶだろう?お前の事好きじゃないから呼びたくないんじゃないのか?」
「アキラが俺の名前を呼ばないのはっ!チッ!兄上には言いたくない!それに、なんなんだよ!田舎娘とか小さい⁈子供だと?胸の話なんかするなよっ!どこ見てんだよっ!兄上がアキラに言った事は、俺が他の奴らから言われた事と同じなんだよっ!俺の身長が低くて馬鹿にされて悔しくて・・・でも何をやってもこれ以上伸びないんだ。どうしようもない事だろう?伸びないのにどうしろって言うんだよっ!好きで小さい訳じゃないっ!言われて傷つかない訳ないだろう?兄上も結局俺を馬鹿にしてた奴らと一緒だったって事か。歓迎してくれてるんじゃなかったのかよ!俺達の気持ちを確かめたかったって、なぜ確かめられなきゃいけない?アキラを傷つけるような事はしないでくれって言っておいたはずだ!それなのにアキラを傷つけて楽しかったか?許さないからなっ!俺も一緒にいたくない、顔も見たくない!帰る!」
「カイルッ!待て!」
部屋を出る。走ればアキラに追いつくかな?
玄関の扉に手をかけるとメイドが慌てくる。
「カイル様っ、お連れ様はこちらにいます。」
「アキラが?どこだ?」
「こちらへ。」
泣きたいだけ泣いたら、落ち着いてきました。
ううーぅ。1人じゃないのに、他の人たちもいるのに恥ずかしい。でもこのままずっとここにいられない。
涙を拭いて顔をあげます。
あれ?オリバーさん以外誰もいない。
私が泣いたから、いなくなったのかな?
休憩してたのに、申し訳無かったなぁ。
オリバーさんがお茶を淹れてくれました。
「どうぞ。」
「ありがとうございます。」
ん、美味しい。ほっこりして笑顔になります。
「美味しいです。優しい味がして癒されます。ありがとうございます。」
「いえいえ、笑顔が戻って安心しました。」
ニッコリ笑ってくれます。
「皆さんにも、申し訳なかったですね。せっかく休憩されていたのに・・・気を遣って頂いてありがとうございます。もう大丈夫なのでとよろしくお伝え下さい。じゃあ私は帰りますね?ありがとうございました。」
「アキラ様、お帰りに・・」
ガチャッ
「アキラッ!よかった。一緒に帰ろう。」
カイルさんが入ってきてギュウとしてきます。
「すまない。アキラを守れなかった。傷つけてごめん。1人で泣かせてごめん。」
「大丈夫ですよ。あの、オリバーさんがいますから、恥ずかしいです。」
「じゃあ、帰ろう。」
カイルさんが手を握ってきたところで、オリバーさんが
「カイル様、アキラ様、お帰りになる前にアリス様とフローラ様にお会いしていただけませんか?
お2人にお会いするのを待っていまして。」
カイルさんを見ると
「会いたい気持ちはわかるが、また兄上に会うかもしれないから、日を改めて兄上がいない時にくるよ。姉上達には申し訳ないと伝えてくれ。」
「さようでございますか。では、そのように・・・」
ガチャッ
「カイル、会いにきたわよっ!」




